熱帯JAZZ楽団 V ~La Noche Tropical~
価格: ¥3,045
カルロス菅野率いる熱帯ジャズ楽団の、通算5枚目にあたる作品である。
オープニングの<1>は、ティト・ロドリゲスのマンボである。歌っているのは、ディアマンテスのアルベルト城間。カルロス菅野いわく、「ティト・プエンテが亡くなったんですが、ぼくの場合、ラテンをはじめたきっかけがプエンテだったんです。それで今回はラテンの王道的なものをやろうと。その結果、マンボの大スター、ティト・ロドリゲスの曲から始めて、最後はプエンテのメドレーで終わる構成に。ヴォーカルをアルベルトに頼んだのは、彼、スペイン語がネイティブだから」。
とはいえこのアルバムはラテン曲集というわけではなく、ホレス・シルヴァーの<2>、マイケル・ジャクソンのヒット曲<3>、年配のファンには懐かしさがこみあげる<5>、ファンからの要望が多かった<8>など、その選曲はバラエティ豊かである。それらをラテンアレンジでダイナミックに演奏しており、実にダンサブルな仕上がりだ。ラテンの楽しさとビッグバンド・ジャズの醍醐味が合体した、豪快な演奏である。(市川正二)