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相振り飛車を指しこなす本〈3〉 (最強将棋21)

価格: ¥1,365
カテゴリ: 単行本
ブランド: 浅川書房
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相振り飛車は 居飛車か? ★★★★☆
 全く 駒並べて 角と飛車を入れ違えただけで 始めたらどうだろう。金無双が定跡だったが 矢倉囲いが 主力になってきている。相振り飛車は 居飛車戦法の亜流に成るのか そんな思いである。 このシリ−ズの本が 難しい並びになっている。どんなコンセプトでこの手法をとっているのかは 疑問であるが 囲碁では 山海堂の橋本宇太郎のどんどんシリーズに見られるきりである。
相振り飛車を指す楽しみをまたひとつ教わりました ★★★★★
 本書は、次の2つをテーマに構成されています。

 1.先手向い飛車VS後手三間飛車(矢倉囲い)

  2つの攻め筋「斜め棒銀」「4手角」について、高矢倉に対しては、自陣の囲いが、
 二枚金の場合は前者が、高美濃の場合は後者が、有効であること。平矢倉に対しては、
 ▲8五歩一歩止め作戦ともいうべく、飛車先保留型向かい飛車から四間飛車に振りなおす
 指し方が、興味深く詳細に解説されています。また、最後に著者の実戦からの3例
 (うち2例は△3四歩一歩止め作戦)が、定跡編を補う内容となっています。

 2.4手目△3三角戦法

  後手番用の戦法なので、手順や図面は先後を逆にしての表記で、超攻撃的な8手目
 ▲8六歩(実際は△2四歩)の△3三角戦法がメインの解説となっています。続く第4巻
 ではその対策を中心にさらに深く掘り下げるとのこと。今から待ち遠しい限りです。

  矢倉囲いは、縦からの攻め筋が主となる相振り飛車では、上部に厚みのある囲いである
 ことから有力な囲いですが、駒組みにおいて▲4六歩(△6四歩)と突くことが、争点を
 つくる結果となり、逆に相手に攻め筋を与えてしまうことがあります(その意味では、
 高美濃への組み換え時にも、同じことが言えます)。そこで現在の矢倉囲いは、▲4六歩
 を突かない、つまり、仕掛けの糸口を与えない駒組みが主流となっています。
  そういう現状を踏まえてでありましょう、本書では、「高矢倉」「平矢倉」「高美濃」
 「平美濃」の図面を示すとともに「平面的な囲い」「立体的な囲い」をキーワードとして、
 より精密な解説が展開されていることに驚かされ、感動さえしました。また、囲いは決め
 ない、必要に応じて補強するという「達人の戦い方」が、最終章で補足という形で説明
 されていますが、たいへん参考になる考え方だと思います。

  定跡にとらわれることなく、自由に指せるのが魅力の相振り飛車にあって、大きな指針を
 示してくれるシリーズの一冊としておススメします。