よくぞ言ってくれた。IFRSの問題点を、ズバリ!
★★★★☆
本書は、IFRSの単なる解説書ではない。
IFRSの出てきた背景、なぜ、日本の会計と大きく異なるのかを、
根本から説き起こしている。IFRSの問題点については、
日本だけでなく世界中から、いろいろな批判が出ているが、
IFRSのどこが問題なのかも、よくわかる。
類書とは一線を画している 【IFRS導入推進者の必読書】
★★★★★
IFRSの各論を総花的に解説しているような書籍とは一線を画している。単なる解説書ではなく、その本質を自己責任で解説している点が素晴らしい。例えば、IFRSでは経常利益がない理由を納得できる。自社の監査法人の会計士に、“IFRSではなぜ経常利益がないのですか?”と質問してみると面白いかも。但し、IFRSの各論を総花的に理解している方でないと、本書の価値は理解できないかもしれない。WhatとHowを学習した方が、うっかり忘れていたWhyを理解するための必読書である。
著者の真摯な会計の姿勢
★★★★☆
この本を初めてのIFRS関連の本に本当に良かったと思います。他のIFRS特集の雑誌では、IFRSが日本企業に与える影響といった感じにセンセーショナルな言葉ばかりで将来の日本企業がどうなるんだと大変な不安に陥れるだけのようにも見えます。ただこの本では日本企業に大きな影響を与えることは当然だが、本質を理解すればなんてことのないことだ、更には日本企業にとってみればチャンスであるようにも読み取れます。 ただ私が星4にしたのが、ASBJの「討議資料概念フレーム(以下概フレ)」とが本書のなかで一切書かれておらず、企業会計原則から概フレに内的整合性が移行しようとしていることも、書いてあれば良かったと思います。そうすれば日本の目指している会計も意志決定有用性を思考すると説明でき、企業会計原則が思考する利害調整は重視しないことを説明し、日本の会計もデューデリ会計の方向を有していることを明確に読者に伝達出来たのではないかと考えます。
IFRS適用のための必読書
★★★★★
IFRSを適用するための必読書である。IFRSの個別基準に対する解説ではなく、IFRSの目指している本質部分を的確に解説している。高田橋範充氏の「IFRSと包括利益の考え方」、藤井秀樹氏の「制度変化の会計学」及び石川純治氏の「変貌する現代会計」と合わせて読まれることをお勧めする。シュマーレンバッハの動的貸借対照表論やペイトン・リトルトンの会社会計基準序説で理論的完成された取得原価主義による資本利益計算に基づく会計とIFRSの概念フレームワークの目指している財務報告との思想面における根本的差異を理解することが、IFRS適用の実務において最も重要であることを教えられる。
今春一番のオススメ本
★★★★★
この本には会計の本としては珍しく意見がある。
ただのIFRSの説明ではなく、みんなに納得してもらえるようにという筆者の情熱がひしひしと感じられた。
IFRSをデユーデリ会計と認識すると、今まで「おかしい」と思っていたことがすっと氷解していくようだ。
項目ごとに対処法を逐一覚えていくのも大事だけれど、それと同時にこの基本概念を押さえることで、
今後新しい事象が発生した際の、IFRSにおける判断作業のプレッシャーが激減するだろう。
まさに、他にはない今春一番のオススメ本である。