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レトリック感覚 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,155
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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学術書でも実用書でもなく ★☆☆☆☆
 内容を大まかにいえば、比喩の種類や誇張法などを分類し、例を挙げて解説しているだけ。実際に文章を書くときに役立つわけでもないし、娯楽性があるわけでもない。著者がたくさん本を読んでいて、レトリックに詳しいということは分かるが、この本は特に学術的なものでもなく、実用書でもなく、結局、趣味で書いた本でしょうか。
だからことばはおもしろい ★★★★★
レトリック=「言葉のあや」について、実例を示し、その説明をして、日本語という言語でできる表現方法を説明した本です。
その表現方法による効果の説明もあります。
実例が幅広く、面白い。
難しくなく、やさしすぎるわけでもなく、すらすら読むことができました。
言葉のおもしろさを、おもしろい表現で教えてくれる本です。
「である」調で書かれているのに、ときどき、「〜じゃないですか」「〜と思いませんか」と、読み手に質問する書かれ方が出てくるのが、読んでいて楽しくなってくる、うまい「言葉のあや」だと思いました。
言葉の説明を言葉でする。
言葉の面白さを言葉で説明し、さらに、読み手を楽しませる。
だからことばはおもしろい。
小説家志望者にお薦め。 ★★★★★
巷に溢れる小説作法の本には、意外とこのレトリックに関して言及したものがない。小説を小説たらしめるポイントの一つはこのレトリックにあると思うのだが・・・。的確な比喩は間違いなく文章を豊かにする筈だし、日常生活で無意識に使っているこの重要な技法を体系的に理解し、使いこなせるようになるきっかけを本書は与えてくれると思う。
言語表現の限りない可能性 ★★★★★
古代ギリシアから近代ヨーロッパまで受け継がれた「伝統的」レトリックは、
1.相手を言い負かすための <説得> 効果
2.ことばを芸術的に飾るための <美的> 効果
という2つの役わりを言語に与えるための技術学であった。

本書は「伝統的」レトリックの体系が見落としていた視点 <発見的認識の造形> に光を当て、直喩・隠喩・換喩・提喩・誇張法・列叙法・緩叙法といったフィギュール(言葉の「あや」)の解説とともに、レトリック第3の役わりを探る。

言葉の数には限りがある。辞書に載っている通りの意味で言葉を組み合わせることだけでは、物事や自分の気持ちのすべてを表すことは不可能だ。

わたしたちの認識を、できるだけありのままに表現するためのレトリック…言い換えれば限りある言葉の組み合わせに、限りない表現の可能性を与えるためのレトリック…それがレトリック第3の役わり <発見的認識の造形> である。

各フィギュールの解説は「浅すぎず・深すぎず」で、読み応えがあり、かつ、うるさくない。

また、解説に使われる例文が「解説のために作られた例文」ではなく「実際の文学作品からの引用」であり、退屈することがない。

レトリックを知る最初の一冊として、最適の書。

すばらしい! ★★★★☆
 レトリックは伝統的に、「説得する表現の技術」と「芸術的表現の技術」として発展してきたようだ。単純に当てはめれば、法廷や議会において人々を感動させ、ある見解を受け入れさせるよう導く技術が前者であり、文学や詩において表現を工夫し、人々を感動させようとする技術が後者であるといえようか。

 しかし、著者が注目しているレトリックの機能はこの二つではない(勿論これらの機能があることを前提としている)。著者が注目するもの、それは「発見的認識の造形」というレトリックの第三の機能である。

 これは、言葉というものが、私たちの思想・考え・感情・思いを伝える道具としていかにも不十分なものであるという認識に基づいている。私たちが感じるものは、無限の様相を呈しており、それを有限の言葉を用いてあらわさなければならない。私という一個の人間が認識した一回限りの個別具体的なものを、言葉で人に伝えようとする。その過程がいかにも困難なものであるということは、日常的にも感じていることではないだろうか。その困難を乗り越え、自分の思いを何とか人に伝えようとする、そのためにレトリックがあるのだ。レトリックは、単に言葉を飾り華やかにすることで人を楽しませることのためだけにあるのではない。伝えたいことを伝えるためにこそレトリックが必要とされるのだ。

 本書はそうした視点に立って、直喩・隠喩・換喩・提喩・誇張法・列叙法・緩叙法を取り上げ、日本や海外の文学などから豊富に例をとりながらかなり深いところまで考察を進めている。言語哲学(こういう言葉遣いがあるかどうか知らないが)といえる内容だ。とても面白い。かつ高度である。人間と言葉の不思議な関係を見る思いがするだろう。多くの人に薦めたい好著である。