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レトリックの記号論 (講談社学術文庫)

価格: ¥1,008
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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レトリカルパレード ★★★★★
著者によるレトリックについての21の文をまとめた本。

明治文学や落語のような心地良いリズム、筒井康隆のような軽妙さ、
中村雄二郎のような含意に溢れた用語の使い方を合わせ持っていて非常に楽しめました。
実際著者もそれらが好きなようで言及されている箇所もあります。

内容も、論理のミクロ冒険、レトリックによって生み出される新たな認識、
誇張表現が嘘でありながらより真実を表しうること、言語の詩的機能と広告についてなど
多岐に渡りそれぞれに興味深く読めました。

ただ、この本自体が修辞的なところがあり、それが鼻につく人には
少し読みにくいこともあるようです。
読書の副産物:本書をマッキーは読んだにちがいない ★★★★★
 読書すると、どんなことがわかるのか? 読書の副産物として、私の場合、「佐藤信夫さんの本をマッキー(歌手の槇原敬之さん)は読んだにちがいない」ということがわかった。

■《カテゴリー・ミステイク》 英国の哲学者ギルバート・ライルの説
例)「コップ」と「悲しみ」が机の上にある、と言った場合に、この机の上をかたづければ、悲しみもコップも一緒にかたづくというふうに、どんどん話を進めていっていいのでしょうか。要するにコップと悲しみというような、まったくちがうカテゴリーに属するものを一律の用語で考えるのはまちがいだ、ということです。
(佐藤信夫の文を要約)p. 39 

●原則破り:従来はまったく同じカテゴリーとして辞書に登録されていたもの、コードとして決められていたものを、まったく新しい立場から新しい目で見たときには、カテゴリー編成が変わって見えるということがあってもいい。
 以下の歌にあるように、詩の世界ではわざとカテゴリー・ミステイクを犯し、「原則破り」をするとフレッシュな詩が書けます。「カップ」と「気持ち」というカテゴリーの違うものを同じカテゴリーと見なせば「ウエイトレスがカップと気持ちまで全部かたづけて行く」ことも可能です。
 マッキーの作詞のセンスは光るものがあります。大学生から社会人ぐらいの年齢の人たちのこころをうまく言い当てた歌が多いですが、この「ズル休み」は名作だと思います。

ズル休み ♪作詞/作曲/歌:槙原敬之 アルバム「Self Portrait」収録 
帰り道のコンビニには
なんでもそろってるけど
二人をもとに戻す
接着剤はないらしい
日曜出勤から
つかれてもどる僕は
一人ぼっちのつまった
袋を片手にドアあける

留守電の点滅
四件は友達の声で
残りの一つはいったい
何て呼べば
僕は救われるの?

人は必ず誰かに
愛されてると言えるよ
だって 僕は今でも君を
とてもとても好きだから
明日は月曜日
会社をズル休みして
すいたコーヒーショップで
おなかいっぱい食べよう
煙草をとり出して 
ぼんやりしてるうちに
ウエイトレスがカップと
気持ちまで全部かたづけて行く

忙しさになんか
負けない恋だと思ってた
あの時 雑誌についてた
占いなんて嘘だと思っていた

恋人が今いなくても
いるとどうか嘘をついて
僕も「幸せでよかったね」と
うまく嘘をつくから 僕は誰かを探すよ
それはきっと君のためだよ
例えば髪を切るように
生き方は変えられない

人は必ず誰かに
愛されてると言えるよ
だって 僕は今でも君を
とてもとても好きだから

人は必ず誰かに
愛されてると思いたい
君のことを想うように
僕もいつか愛されたい

平易にして啓発的 ★★★★★
哲学、論理、記号、コード、レトリック、シンボル、などの言葉に反応してしまう人なら、読んで損はありません。

転喩、換喩、etcなどという専門用語も確かに出てきますが、それらを知らなくてもなんとなく分かりますし、それほど頻繁に出てくるわけではありません。

翻訳というより言語の問題、時間論など、専門的に深く突っ込んでいないのにも関わらず、そのエッセンスだけを鋭く抽出し、読者に考えさせる問題提示は正に巧み(匠?)で、論文集的にテーマが(金から落語まで)多岐に渡るぶん、それだけ考えられる要素がたくさんある、ということで、充分楽しめます。

深いが難しくない ★★★★☆
おもしろい。何より、平易で、抽象的にならずに日常からの切り込みが非常に読みやすい。
こういう記号論は、アヤフヤで哲学チックで眠くなるのが常だが、これは、さくさく読める。

しかし、内容は非常に深い。まさしく記号から、金から、トイレの看板から、なつめそうせきから、罪と罰から、色々な切り込み方で、言葉というものをぶったぎる。

 比喩の様々な用法にも触れられており、実社会でも色々つかえそうである。
 たとえば、転喩と比喩とカン喩などを混ぜて書くと、
冒頭の「この本は有名かな」が
「水を見ないでアフリカを旅するような度合いで他の書籍で見受けられる本とは様相をことにする」みたいな感じになるかなぁ、適当だが。

 ともあれ、ウィットに飛んで学者だが市井の研究者的なおもしろさ。

 罪と罰の翻訳を読むことは、シニフィエは等しいがシニフィアンは異なる。

この指摘には、はっと思わされた。