大変知的興奮に溢れた一冊
★★★★★
“ピタゴラスイッチ”佐藤雅彦センセイと
氏の研究室のプロジェクトの成果発表本。
アニメーションのように静止画を時間を使って
動いているように見せる、と云うアプローチではなく
「差分」とは二枚の静止画から脳内に動きが
浮かび上がってくる様である。(と私は解釈している)
それは実際の動きではないため、
多分に脳による錯覚や補完というフィルターがかかり
物語性が付加される。それは単なる見え方の問題ではなく
言語認識や認知科学の問題にまで踏み込んでいく。
巻末に収められた脳科学者・茂木健一郎と筆者の対談では
茂木氏が筆者の質問に対し「それは良くわからないですね」
を連発する。それだけ難しい問題であり、今後の
研究によっては思わぬ表現を産み出せる可能性に満ちている。
しかし類書がまるで無い、という意味では
大変知的興奮に溢れた一冊である。
数学的興味を引く、錯覚に対する興味がわく本
★★★★★
今日届いたばかりで
ぱらぱらめくっただけですが
視覚的に相当面白い本があります。
それは、
差分
佐藤 雅彦 (著), 菅 俊一 (著), 石川 将也 (著)
美術出版社
です。
私の大好きな
ピタゴラスイッチ(身の回りの道具で動きを再現するもの。主にボールを使う。NHK番組。)
の監修として有名な
佐藤雅彦さんが書かれた本です。
また、私は点・線を見ると
数学的な考えで楽しめます。また、錯覚の視点からも楽しめます。
(大学で、錯覚の授業を受けていたので。
錯覚は身近なところでは、スピード出さないように道路に
どんな記号を書けば有効なのかなどに使われています。
ギリシャ神殿の形も錯覚が使われ、大きく見えます。)
2次元の中で、どう再現すれば一つ次元が上の3次元を描けるのか?
それを応用すると、3次元(さいころなどを使い)の中で4次元を描けます。
また、次元を一つ下げたところで描くものだけでなく、
単純に二つの絵を見て、人が思う心理もついた
発見の多い素晴らしい視点で書かれた本です。
また、今日もこの本を読み、新たな発見を得たいと思います。
おもしろすぎる
★★★★★
われわれの中に、
あらかじめ備わっている
物語る(物語ってしまう)力に、
改めておどろかされた。
そう、理屈ではないのです。
論理ではなく、
把握した状況をどうとらえるか。
とにかく、面白かった。
面白い。そして新しい(のかな?)
★★★★☆
多数の絵と興味深い文章はさすが佐藤教授。面白い。
代替書籍がないという点でも、おすすめの1冊です。
知的刺激溢れる
★★★★★
ピタゴラスイッチ監修でも有名な佐藤雅彦氏による著書
本書に多数掲載されている、感覚に直接訴える絵が気になり、じっくりと眺めてみることに。
一見すると大したことなさそうにも思うが、なかなか興味深い実験。
著者によると、
『差分とは隣り合ったものの差を取った時の「脳の答え」である』
とのこと。
単独では意味不明な図形や抽象的な絵、それを複数並べその違いに注目することにより、一瞬にしてストーリーが立ち現われてくるという、人間の脳を試す実験内容。
両者の差を取ることで、第三の「物語性」という新しい何かが生まれるという発想が非常に面白く、それを言葉ではなく絵だけで表現するのもさすが。