実際に、今回のイラクに対するアメリカの動きは、基本的には本書に書かれているような考え方が底辺にあったことは否定できないと思う(もちろん、他にもテロに対する考え方等、さまざまな要因があったが)。
しかし、だからと言って、今回のイラク派兵を容認するものではない。
ただ、イラクの9.11テロも彼らのグローバリズム(=アメリカ化)による自国文化・伝統文化崩壊への危機に対する反発も関係しているように思う。
つまり、彼らにも彼らなりの論理があり、それを理解することなく、一方的に責めてはいけないのではないかと思ったりもするのだ(もちろん、テロが悪いことではない、と言っているのではない)。
誰もが戦争を憎んでいることは当然だ。しかし、単純に「戦争」=「悪」と言う前に(いや、もちろん、悪なのだと思うが)、もう一度、それぞれの国の考え方を見つめ直さなければいけないのかもしれない。それをする中で、初めて国際化とは何か、異文化理解とは何かを学ぶことができると思う。