情報に信頼性がない
★☆☆☆☆
ガイドブックとして持ち歩く、という方々の気持ちがちょっとわかりません。荷物になるわりに、旅の友として役に立つとは思えません。
まず、物件名称が、現地で問い合わせても全く通じないような、実名と異なる英語名称で記載されていたりしますし、
現地への行き方等の案内も一切なし。見学可能時間その他の注意事項も書いていないし、地図も中途半端で、掲載物件が地図に載っていなかったりする。(地図の見栄えを優先するため、範囲に入りにくい物件を省いたと思われます)
また、例えばスペインのマドリードの項など、記載物件の半分以上が、内部見学不可の物件でした。
しかしそれが、あたかも一般公開されているかのように記述されている点が問題です。無駄足になりかねません。
学生さんや趣味の愛好家の方には良いかもしれませんが、説明文も、建築実務家にとって役立つような具体的な内容ではありません。ガイドブックというよりは、「こんなにあれこれ見てきたよ」という、著者のご自慢エッセイの類ではないでしょうか。著者は建築雑誌編集者のご出身とのこと。それを聞けば、まあこんなものか、というところですが。
建築の世界は知らない。でも、この本は美しい
★★★★★
こういう「素人にも面白そう」と思わせる本は、やはり
いい本なのだ。
とにかくブックデザイン、レイアウト、写真、テクスト全てが
ビシビシとツボにくる。
穴の開いたカバーはビルの窓。
そこから覗く表紙は、さながら窓に灯る明りを模しているかのよう。
1970年代以降に建てられたヨーロッパ各国、各都市の先端建造物を
これだけの量眺め、読めるというのはまさに「知的興奮」以外の
何物でもない。
収められた数々のビルの奇抜な外観、それとは裏腹の機能的な内装。
一つの建造物の外観内観が1頁、時には2頁に亘って詳細に美しい写真とテクストで
紹介されているので、とにかく飽きない。
いつまででも読んでいたくなる。
さらに同一建築家など関連のある建物が、テクスト中のアンダーラインの色でどの巻に
収められているか、ひと目で分かるように工夫されている点も有難い。
建築専門用語などもカタカナ表記の後に括弧で意味を付すという丁寧さ。
ガイドブックとして使うには少々問題もあるようだけども、
外国に旅行する予定のまったく無い当方としては、これで充分。
いやあ、本当に楽しくて美しい本ですよ。
現在はアメリカ編が2冊目まで進行中。
ああ、3冊目が待ち遠しい。
ヨーロッパの現代建築を知る
★★★★☆
フランス、イタリア、スペイン、ポルトガルの現代建築をフルカラーで紹介した本。とはいっても、第1巻は3分の1近くのページがフランス編に費やされています。地図もついており、実際にそこに旅してみたくなります。
ただし、あくまで現代建築に主眼を置いているため、中世以前の建築が知りたい方は、別の本を探す必要ありです。。
ヨーロッパ文化にドキドキワクワク
★★★★★
ヨーロッパ各国の建築を、国別に紹介した3冊からなるシリーズの第1巻です。第1巻では、フランス、イタリア等、5カ国の建築が紹介されています。
あまたある建築本では、物件を多数掲載する制約から、1物件につき、1枚の写真しかないことも多くありますが、当シリーズでは、1物件が1Pないしは2Pのスペースで紹介されていますので、複数枚の写真が掲載されており、物件の魅力がよくわかるようになっています。また、その物件あるいは建築家と関連の深い物件の写真が掲載されていますので、その物件の魅力をより深く知ることも出来ます。こうして眺めていて思うのは、同じハイテクを使っていながらも、ヨーロッパでは周囲の環境と建築の関係が配慮されており、決して、建築単品のみを考える日本と違うという点で、そういった点からも、ヨーロッパ文化の深さを知ることが出来ます。
ただ、注意しなければならないのは、冒頭で著者が言っているように、掲載物件は70~90年代の現代建築である点で、古典建築を知りたい方は、他のシリーズを探す必要があります。
建築の勉強に、旅行に!!
★★★★★
ヨーロッパ建築の伝統的な街や建物、そして近代的なつくり、デザインについてわかるものです。色の配色の勉強にもなり、さらには写真が綺麗で、地図がついているので、旅行のお供にも最適です。なにより、デザイン文化が長く、根付いているヨーロッパの建築なので、建築を学んでいる人には必見です。