紹介されているのは、プラネクス邸、オザンファンのアトリエ、ロンシャンの礼拝堂、スイス学生会館、カップ・マルタンの小屋、ル・コルビュジエとイヴォンヌの墓など。行き方ガイドに加え、後半ではイラスト入りの作品解説が掲載されている。詳しい人にとってはハンディーなガイドブックとして、また入門者にとってはル・コルビュジエ作品の手軽な解説書として重宝するだろう。(土井英司)
もちろん『地球の歩き方』みたいな普通のガイドブックには、コルビュジエの作品は載っていない。日本語で記された建築専門のガイドブックもいくつか出版されているが、大雑把な地図が載っているだけで、詳しい行き方までは分からない。英語の建築ガイドは多数出版されているが、旅先で辞書を片手に読むのも不便だし、日本語のものと同様に詳しい行き方までは分からないものが多い。
しかしこの本ではコルビュジエのフランス国内に現存する36作品全てが、地図と詳しい行き方の解説付で紹介されている。どの電車やバスに乗ればよいのか、建物の中に入れるか、見学するには許可が必要か等。全ての作品がカラー写真で掲載されているのもすばらしい!おそらく世界中の類書の中でも、最も使いやすいものではないだろうか。
後半に載せられたコルビュジエの代表作品の解説も読みやすく、建築見学の見所が丁寧に説明されている。この本が発売されるまで、コルビュジエの建築見学旅行には、資料集めにかなり手間がかかった。建築の専門家だけでなく、デザインに興味を持つ一般の人々に広くお勧めしたい。