鎌倉幕府は源頼朝によって朝廷武家政権を確立したのだが、その没後の将軍は頼家、実朝とともに頼朝の妻政子の傀儡となり、実際は北条家を中心とした評定衆による集団指導体制が組まれたのだ。

　尼将軍として、なんとなく悪妻のように思われがちな人だが、武家を京都政権から自立させることに尽力したのは紛れもない事実。かつ、将軍も父である執権職も、武家をまとめるために不為ならば遠慮なく表舞台から引導を渡す器量には感服する。

　鎌倉幕府の将軍は3代目までが源家の人間であり、以降は公家や皇族が将軍になっていた。実権は北条得宗家が握るようになる。