石ノ森氏がんばる
★★★☆☆
この巻は皇統が南北に2分した時代に、足利室町幕府がなんとかこの国を実質的に統一しようともがき苦しむ姿を描いている。マンガなので簡単に書かれている部分もあるが、室町時代とはまことにカオスの時代であり、清濁複雑な世の中だったという印象だ。
悪党という輩が出たのもこの時期。倭寇というのもこの時期。そして、婆娑羅大名というものもこの時代に発生したのだった。
とにかく遺伝的にこの時代は離散集合を繰り返してゆくのである。カオスそのものであり。その中で義満という独裁者がひそかに育っているのであった。