ダイジェスト版が欲しい本
★★★☆☆
てんこ盛りで、何でもかんでも書いてある。何が大切かよく分からない。柴田昌治氏の本を読んで、何とか本著の書いてあることを理解しえた。ダイジェスト版が欲しい。
ここまでしなけりゃ役所は変われないのか
★★★★☆
「地方分権時代の改革は、住民とともに地域にふさわしい独自の政策・思索を実現していくための取り組みであり、すべて新しく作り出していく必要のあるものです。それには「なぜ変えなければいけないのか」「どのように変えればいいのか」ということから考えることが必要p.38。」ということから、「「改革の基盤づくり」では、自治体のトップである首長が、自治体経営の方式(理念とビジョン)を固め、さらにそれを執行する行政組織のトップとして、行政経営の理念を設定した上で、その目的を達成するために必要な改革の目標と考え方を選択p.106」し、オフサイトミーティングなど様々な「仕掛け」により、職員が「職場の身の回りで「おかしい」と思ったことが気軽に口にできるようになり、安心して相談できる仲間が増え、小さなことからでも「じぶんたちで変えていこう」という行動が起こせるようにp.212」にする、つまり、役所人間の仕事に対する態度を企業戦士並にノリノリでハイな状態に持っていく。こうした改革の手法は解りやすいが、お手本としている大企業そのものが顧客満足を唱えながら軒並み偽装請負などの違法行為を繰り返しており、天下りや口利き・コネの横行・汚職といった役所の問題は企業方式の導入では改革することできないのでは?、性善説にたって職員の自主性に委ねるだけでなく、厳しい住民監査の制度を設けるべきではないか?。三重県の徴税率の上昇以外、こうした改革の外部に対する「効果」が取り上げられておらず、「役所内部の人が働きやすくなった」ことが、どれだけ県民・市民のためになったのかが良く解らない。
公務員を「見た」数少ない「改革」のための参考書
★★★★☆
三重県や横浜市での取り組みを中心にどうすれば「変われる」のか実例を示しながらプロセスを説いたもの。
公務員の改革というととかく「変える」といった視点で、全体の仕組みを見ず旧来の仕組みを壊すことが中心になりがちで、手段が目的と化した「改革」という言葉で語られるのみになってしまいます。
そういった言葉だけの改革ではなく、実際に公務員と関わり「変わる」ために主体的に参加するという組織風土を生まれさせるプロセスを経験している著者の言葉は実に的確で本当に参考になります。
長らく続いている公的な仕組みを変えるのは首長を含め幹部職の頭を変えてもらう必要がありますが、職員それぞれも上意下達で従うだけでない広い視点をもって話せる仕組みを少しずつ作っていく必要があると感じました。
皆で読みたい一冊
★★★★★
三重県や横浜市の事例を通し、変革プロセスを分かりやすく説いている。行革を意識し始めた人はもちろん、現在、取り組んでいる改革に疑問や行き詰まりを感じた人の教本となる一冊である。本書は改革の進捗レベルに合わせた、アドバイスが丁寧に記されているが、その多くに頷くばかりである。当然にして、この本から得たものを職場で活かしたいという想いにかきたてられるが、この本を出来るだけ多くの人に手にしてもらうことが、新しい展開への近道になる。そう思わせる貴重な図書である。
職場のみんなで読んでます
★★★★★
霞ヶ関官庁の内部管理部門に勤める公務員です。本書は、地方自治体であれ中央官庁であれ、役所の中で「今のままでいいのか」とか、そこまで深刻でなくても「もっと充実した職場にしたい」と思ってる人にとって、大いに勇気づけられ、また役立つ本です。
民間企業に関する改革本は多いですが、役所に関する本は、どうすれば「変えられるか」という外部視点での批判の意味を含む物が多いと感じます。どうすれば役所は「変われるのか」と、役所で働く側に立って一緒に考えてくれる本に初めて出会いました。
内容は、三重県庁での著者の実践例が中心ですが、中央官庁にとっても、またうちのような内部管理の職場でも共通点が多く(例えば顧客意識が乏しい中で部署の縦割りに固執して顧客に迷惑をかけているとか)、どうすればよりよい職場になれるかとても参考になります。また、業務改革にありがちな目標設定・工程管理という製造業的発想でなく、組織風土を耕し種を蒔くという農業的発想にも親しみが持てました。
事例の一つひとつが目から鱗の連続ですが、加えて、各段階でどの立場の職員がどんな姿勢で取り組んだかが表や図でわかりやすく説明されてるので、組織風土改革に取り組もうとする際の実践的な参考書になります。まずは自分の周りから取り組んでみようという気にさせられます。
実際に、職場で本書の真似事も始めてはいるものの、そううまくはいきませんが、そのつど読み返し勇気づけられているところです。全国の公務員仲間に読んでほしい一冊です。