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モーツァルト:ピアノ協奏曲第19番&第23番

価格: ¥1,500
カテゴリ: CD
ブランド: ユニバーサル ミュージック クラシック
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透明で古典的格調をあわせ持つ演奏 ★★★★★
 評価はことごとく悪いようであるが、私は素晴らしい演奏であると思う。特に23番の演奏は素晴らしい。この曲は、モーツァルト後期ピアノ協奏曲の中で、その親しみやすい旋律、わかりやすい形式から一般的にも良く知られる曲であるが、この後の24番、25番の協奏曲と共に古典的完成を成す古典派最高峰のピアノ協奏曲である。ここで、ポリーニはこの当時の持ち前の強靭さや華麗さは影をひそめ、べームにぴったりと寄り添ってこの曲に相応しい格調高い演奏を行っている。特にそれは第一、第二楽章に顕著で、第一楽章はウィーンフィルの温かみのあるバックに見事に調和して落ち着いた演奏をしている。第二楽章もことさら情緒的になることなく透明感のある高貴な演奏をしている。また、第三楽章は快活なロンドであるため、ポリーニは持ち前の鋭さを幾分発揮し生き生きとしているが、格調の高さは保たれている。バックハウス亡き後、べームはポリーニとの共演を好んだ。この演奏はこの二人の幸運な出会いの所産ではないだろうか。
巨匠と鬼才の共演 ★★★★☆
巨匠ベームと鬼才といわれたポリーニの理想的な共演によるモーツァルト。しかし、K.488(第23番)は代表的名演とはいえない。完全無欠な演奏には違いないが、この作品のもつと優雅さと躍動が今ひとつ感じられない。第2楽章のシチリアーノも哀愁を感じさせない。

一方、K.459(第19番)は一変してダイナミックな演奏。第1楽章のマーチからして、生き生きしているし、第3楽章のフガートは力強い。ポリーニものびのびとして、はじけている。モーツァルトが『フィガロ』を書いた時期、すなわち脂ののりきった時期のモーツァルトの充実が感じられる名演。

録音年は1976年で、ベーム81才、ポリーニ34才の時の録音。