自閉症のてる君は、中学を卒業後、理解ある会社に就職したが、その前後から色鉛筆で絵を描き始めた。絵は、彼の幼稚園時代の1日を描いた経時的なものであることが次第に明らかになってきた。結局、てる君は10年もの歳月をかけ、千数百枚に及ぶ連続画を描き続けた。本書は、こんなちょっとミステリアスな導入で始まる。てる君が描いた連続画からは、自閉症の豊かな内的世界を垣間見ることができるという。
自閉症をはじめとする発達障害は、専門とする児童精神科医が少ないため、今日最も需給バランスの悪い臨床領域となっている。その原因は発達障害の「とっつきの悪さ」にあるのではないかと著者はみる。だが、一度この世界に踏み込んでみると、想像以上に豊かな臨床が展開されていることが理解できるという。そのことを知ってもらいたいという願いから本書は生まれた。
本書では、著者のライフワークともいえる発達障害に関するさまざまな臨床研究が紹介されている。自閉症をはじめ、アスペルガー症候群、ダウン症候群、ADHD、トゥーレット症候群などについて、臨床例に基づき障害の特徴や治療、対応などについて解説している。自閉症と仕事に関しては、職種によってはかなりの成果が期待でき、むしろ高機能自閉症者のほうが就職に困難な問題を抱えているという。堅苦しい専門書ではないので、発達障害の子を持つ親や教育関係者はもとより、発達障害への理解を深めていく上で広く手に取ってもらいたい1冊といえる。(清水英孝)
もっちー&まめもっちー書店
★★★★★
著者の長い臨床でのご経験から、実に多様な事例やサポートグループについて紹介されており、「発達障害の豊な世界」がわかります。寄り道散歩個人としては『軽度発達障害の豊な世界』という続編も出版されるといいなぁと思っています。2004年4月に1冊、12月に1冊、2009年6月に1冊、合計3冊のご注文をここからいただきました。お礼申し上げます。右下の[⇒詳しく見る]から「軽度発達障害、不器用、ダウン症」コーナーの他の本も是非ご覧ください。
心の救急箱☆トラウマと教育臨床
★★★★★
本書はアスペルガーやADHDなどの発達障害だけでなく、トゥレット症候群やダウン症、XYY症候群など様々な発達障害について書かれた本です。読んでまず、最初に自閉症の「てる君」が10年以上に渡り連続画を書いていた、という内容にとても惹きつけられました。「タイム・スリップ」について詳細に述べられたこの部分は勿論、第2章の「自閉症と仕事」は自閉症について知りたい方は必読です。パニックが多い、「重い子どもでもしっかり働く」と述べられており、悩んでいる親御さんにとって光の見える部分ではないでしょうか。他には個人的に、XYY症候群のW君の事例がとても重い話で印象的でした。内容は専門的な部分もあり、基本的な知識が無いと読むのはちょっと難しいかもしれませんが、発達障害について勉強している方は是非、一読を。杉山氏の優しさで溢れた本でもあります。
柊琉書店
★★★★☆
発達に障害があるというと、マイナス面ばかりに目がいってしまいがちですが、うちにすばらしい才能を秘めている人は多いようです。すべての人のステキな一面を見つけるために。
チーム・ASP☆
★★★★★
杉山先生らしい、杉山先生の本です。いろいろな発達障害の人たちとの生き生きとした姿が描かれています。
きの国屋書店
★★★★★
自閉症、アスペルガー、ダウン症、ADHDなどの発達障害に関する基本的知識が判りやすく描かれています。この手の本にしては文体もとっつきやすくて読みやすいと思います。
うそつきピノキオ書店
★★★☆☆
この世界(?)の第一人者、杉山登志郎先生の著。
きの国屋書店
★★★★★
自閉症、アスペルガー、ダウン症、ADHDなどの発達障害に関する基本的知識が判りやすく描かれています。この手の本にしては文体もとっつきやすくて読みやすいと思います。
日本評論社の法律書籍案内
★★★★★
誰も知らない自閉症の世界。
きの国屋書店
★★★★★
自閉症、アスペルガー、ダウン症、ADHDなどの発達障害に関する基本的知識が判りやすく描かれています。この手の本にしては文体もとっつきやすくて読みやすいと思います。
なぜなに書店
★★★☆☆
とても読みやすい本です。著者のやさしさがにじみ出ています。