竹内敏晴さんが、亡くなって、もうすぐ一年になる。あとがきには亡くなる数日前の文章があって、今はもういらっしゃらないという事が不思議である。数々の本を出されて、そのエピソードが重なることがあるので、この話は知っている、という気になることもあるが、この本は、彼の最後の本という意味で貴重であると思う。どのような思いで最後の日を迎えられたのか、思わずにはいられない。そして、どの著作でも、彼の文章には感触がある、その感触に支えられた思想がある。