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どろぼうの名人 (ガガガ文庫 な 4-1)

価格: ¥620
カテゴリ: 文庫
ブランド: 小学館
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これからに期待 ★★★★☆
読みやすい書き方で、ほんわかします
百合系ですが、その雰囲気がある程度。

ただ、途中の挿話がどうもしっくりこず、全体のテンポが崩れてしまうのが残念。
どろぼうの名人とかの挿話は、不要と思いました。いれるとしても 誰かに語らせ他方が作品のもつ流れを崩さなかったのでは、と思ってます。

けど、これからに期待したい方です。
甘ったるい百合姉妹ものではありません ★★★★★
そこらにあふれている甘ったるい百合姉妹ものを期待している方はサヨウナラ。
実姉の命を守るためうんぬん...というキャッチコピーから、
サスペンス系やバイオレンス系、隷属系などを連想した方もサヨウナラ。
たしかに実姉は危ない橋を渡っていたり、軍が出て来たりしますが、
それは物語に現実っぽさを出すためにちりばめられている社会問題などと同じで
さらりとしたものです。
むしろ、
主人公である初雪の目線で穏やかに描かれている日常が心地よいです。
心におこる感情のさざなみ、微妙な距離感などの描写に惹かれました。

読後に、せつなく、且つ、あたたかい気持ちになりたい方におすすめです(*^^*)
あのころは姉が世界のすべてだった ★★★★★
同人歴の長い作者のデビュー作であり、年季のはいった百合哲学が感じられる。

甘えたり、頼ったり、ねだったり…。恋愛や友情であれば距離をはかりながらする行為を、無条件で与え、受け取りあう特別な関係としての「姉妹ごっこ」をモチーフにした話。少女の閉じた世界をテーマにした物語は数多いが、「最愛の実の姉/偽の姉」という設定が、主人公・初雪の世界の特別さを鮮明に印象づけている。

千葉が独立して王国になっているとか、姉の仕事が軍関係であるといった派手なネタはとても抑え目にかかれている。どこにでもあるような商店街のはずれの古書店が舞台であることや、文(あや)が少ない小遣いをやりくりして通ってくる、テストの日はお弁当を学校で食べて帰ってくるか?といった質素であたたかい日常の描写と独特のコントラストをつくっていて、読んでいてとても気持ちがよい。

難点をいえば、タイトルである「どろぼうの名人」がでてくる必然性がいささか弱いのが残念。