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教育と国家 (講談社現代新書)

価格: ¥756
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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甘ったるい ★★★☆☆
これも去年の今頃読んだ。
「靖国問題」(ちくま新書)が売れに売れている高橋哲哉の本。
教育基本法がいかに改悪されようとしているか、戦前の軍国主義に回帰しようとしているからを優しい語り口ながら痛烈に批判している。
僕は右翼でも左翼でも今のところ無いが、「靖国問題」(ちくま新書)と続けてこの著者の作品を読んだが、どうも左より過ぎる感が否めない。
非常に理想主義的だし、甘ったるい。
哲学者が教育論に手を出すべきではない。
愛国心教育「批判」のウソを衝く! ★☆☆☆☆
筆者の論法はほぼすべて以下のような構造をしている。

1 保守派の意見を取り上げる
2 それが戦前・戦中にも存在していたことを示す
3 よって、それは危険なので(?)やめようという

でも、この論理は少し考えればおかしいとすぐにわかる。
この論理に従うと、例えば日本語は侵略の象徴だったから廃止されるべきとなる。
そもそも、この論理が、筆者の批判した「戦後教育悪玉論」の構造と瓜二つであることに筆者は気がつかなかったのだろうか。



あと、筆者は教育から強制をなくせば教育現場はよくなると考えているようだが、そうしたら待っているのは教師による独裁である。特に日教組の存在を完全に無視しているのは問題だろう。
あと、子供への強制をすべて禁ずると、いじめっ子の「なんとなくウザイからいじめる」という理由を否定できない。(愛は押し付けられないから!)
哲学者らしい多方面の考察 ★★★★★
この本の長所
1、多岐にわたる論点について考察がなされているところ。
2、教育基本改正など、自由民主党や石原慎太郎氏に代表される保守派の政策がいかにデタラメかが示せているところ。
3、それでいて、教育基本法礼賛ではなく、問題点をきちんと考察しているところ。
この本の短所
保守的思想を信奉する人にはちょっとなじみにくいか。でも、思考訓練にいかがでしょう。
結論―長所星5つ。短所は星を減らすほどでもないので、星5つ。
多様性に寛容な国を ★★★★★
本章において著者は「戦後教育悪玉論」や「愛国心の強制」といった、現在ホットなイシューをそれぞれの章においてわかりやすく論点を整理、問題点を明らかにしていく。

現行憲法や教育基本法にも問題点がないわけではない。改善すべき点は変えていくべきである。しかし、現在憲法や教育基本法を「改正」しようとしている人々が推し進める方向は、「伝統文化」の名の下に天皇を精神的中核とする、国民の思想の自由や男女の平等を抑圧しようとするものである。このような流れがある今、「武器」としての教育基本法(及び憲法)は維持すべきではないか、というのが著者のスタンス。大いに共感しうる。

(P170‾)
「(教育基本法の)個人主義は、全ての個人の尊重を言っているのです。それはまた、共同体や国というものを実は否定していません。個人が出発点となって国が営まれている。そこにはもちろん、家族とか、会社とか、学校とか、様々な中間集団があり、とりわけ家族は親密圏として、特別な意味を持っている。しかし、個人はそうした様々な集団の中に幾分かは帰属しつつも、やはり一人の個人として、どの場所にあっても、その尊厳を認められる存在であるべきでしょう。」

至言だと思います。僕は千葉という、日の丸・君が代への反発のほとんどない地域において小中高校時代を過ごしたので、率直に言って日の丸・君が代への感情的反発・忌避感はあまりないのですが、やはりこの国には、人それぞれの多様な考え方を一つの価値観に回収するようなことをして欲しくないと思います。

極めて読みやすい文章と見事な整理力は著者の学者としての力量を示すものです。とても面白い本でした。
倫理教育 ★★★★★
教育の問題を根本的に考えようとするのが本書だ。実際現在日本の教育界は混沌としている。東京大学ですらセクシャルハラスメントで二人の教員が一時休職となり、京大二名、九大一名と続く。本書では対話編を中心とした構成であり、哲学教授らしく倫理教育の必要性を訴える。著者自身もあとがきで教育現場が「窒息しそうになっている」と明記しており、教育問題は日本でも早急に取り組まなければならない問題である。そういえば休職となった教員にリベラルなものが多い気がするがそれはきっと別の話である。