駆け出しのアルバムだが佳曲がいっぱい
★★★★★
もし「コパカバーナ」でマニロウを知り、ベストアルバムを聞いてますます
興味をもった人は、是非この初アルバムから順を追って聞いていってほしい。
このデビューアルバムが日の目を見るのは「Mandy」のヒット後となった。
当時買ったLPジャケットとカバーが異なって再発売だが、こちらがオリジナル
カバーだそうだ。何にしろ70年代初頭の初アルバムがこういう形でまた出てる
のだから、マニロウの本国での根強い人気を物語る。
1曲目の「Sing it」は祖父が「さあ歌ってバリー」と語りかける雑音まじりの古い
録音テープなのだが、デビューアルバムの冒頭としては印象的だ。
実際マニロウの音楽家としてのスタートの原点がここからで、音楽家として大
スターへの出発点として使われてるのはその後の大成功をあたかも予感して
たかのようでもある。
アルバム内容は既にその後のマニロウの音楽性に通じる、ポップ、ジャズ、
バラード、ロック、クラシックとやはりバラエティに富んでいる。
若いだけにロック調の曲にはパワフルさを見せる。11のSweet Lifeはこれぞ
マニロウという哀愁あふれるメロディとアレンジで盛り上げていくタイプの
バラードの名曲。
なお12〜15の未発表のボーナストラックはコアなファンには嬉しいが、
本来のオリジナルアルバムの完成度には余計なオマケといえなくもない。
やはりこのアルバムのラストはSweet Lifeで終わってほしい。
初々しいバリー!
★★★★★
デビューアルバム"Barry Manilow I"(本作)は、実際には2枚目のアルバムが出て"Mandy"が大ヒットした後に、
Aristaから再発売されて大ヒット。
本当は、Aristaの前身のBellから別のジャケットでデビューアルバム
として1973年に再発売されたもので、この再発盤はそのBell時代の
ジャケットを使用していて、それだけでもMust Buy。
ポップス全般に挑戦し試行錯誤していたBarryが浮かぶ好盤です。アレンジの才能が溢れていますね。
このアルバムからは"Mandy"の大ヒットの影響を受けて、"Could It Be Magic"
(ドナ・サマーやテイク・ザット等もカヴァー)がヒットしていますし、
"I Am Your Child"(後にキャンディス・バーゲンのドラマに出演しシングルカットされた)や、
"Cloudburst"も名唱です。ソロ・アーティストとしてのデビューシングルは
"Sweetwater Jones"と言うことになっているようです。
なお、この再発盤には、
12. Caroline
13. Rosalie Rosie
14. Star Children
15. Let's Take Some Time To Say Goodbye
と4曲ものボーナストラックが収録されています!