民間伝承に材を得た物語集の素朴な味わいと教訓
★★★★★
表紙によると、ペロー(1628−1703)の童話集は、民間伝承に材を得た物語集のなかでも最も古いものといってよい、そうだ。
おなじみの「ろばの皮」「眠れる森の美女」「赤ずきんちゃん」「青ひげ」「ねこ先生または長靴をはいた猫」「おやゆび小僧」「サンドリヤンまたは小さなガラスの靴=シンデレラ」などなどが、装飾をいっさい排除して、まるで老婆や家庭教師の口から語られているようで、素朴で、こんなに話がちがうのかという部分も沢山あり、驚きとともに、納得しつつ親しみをもって読みました。
(ペローから見て)《われわれの先祖は、自分達の語る話のなかに、賞賛すべき教訓が含まれているように賞賛すべき有益な教訓が含まれているよう、、絶えず大いに気を配ってきた。どの話のなかでも、徳が報われ、悪が罰せられるのです。》という考えのせいか分かりませんが、一つ一つの話に教訓がついているので、それを読むのも楽しみでした。
大人が面白く読む童話
★★★★☆
「長靴をはいた猫」は猫の頭のよさのほかに、粉屋の息子が若くてハンサムだったこともキーポイントだったとは、これを読むまで知りませんでした。その他「眠れる森の美女」の王子の母「赤ずきんちゃん」の結末「シンデレラ」のお姉さん達への仕打ちみんな自分が読んだ絵本とはちがうのでした。童話の後にペローの書いた教訓がついていて、風刺が利いているので笑ってしまいます。子どもに読み聞かせるより、大人が読む本としておすすめます。
実説★赤ずきんちゃん
★★★☆☆
あまりにも有名な赤ずきんちゃん。ストーリーなんか今更読まなくったって知ってます、という貴方! 何と、シャルル・ペロー版だと赤ずきんちゃんが狼に食べられるところで物語が終わるんですよ! 嗚呼、偽善を排除した素晴らしき教訓……坂口安吾が自らの文章にてぺローバ-ジョンの赤ずきんちゃんを引用したのも頷けます。