「罪」とは?
★★★★☆
おなじみゆう子と直樹の物語。前作の「屋根裏部屋の秘密」の登場人物が語った朝鮮からの引き揚げ体験を、ゆう子がテープから起こしてゆく。始めは「火の玉」というこわいもの見たさだったゆう子は戸惑いながら作業を進める。そして戦争というと、食物もなく空襲におびえ逃げ惑い、学校にも行けず、親を子を亡くし・・・といった「虐げられた民」としての日本人が描かれるし、それはそれで事実の一面であるが、その一方で加害者でもあったのだ、朝鮮の人に石を投げられるだけのことをしたのだということを知る。「私のアンネ・フランク」への回想も織り込まれたシリーズ最後の作品。