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死の国からのバトン―直樹とゆう子の物語 (少年少女創作文学)

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 偕成社
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今、子供たちに読んでほしい ★★★★★
もう何十年も前に書かれたはずの話が、今、この時代の子供たちのために書かれたかのように感じます。
主人公は現在の(この本にとっては未来の)子供たちをモデルにしたかのようです。
生きることに価値を見出だせず、未来はただ暗いもの、自分も長くは生きられないのだと漠然と思う、まだ小学生の男の子。
そんな彼があの世に迷い込むことで物語が始まります。
若いうちに理不尽に死ななければならず、しかし精一杯生き抜いた自分の先祖たちと出会った事で、全力で生きる事を学んで行く。そして、亡くなった父親に、「これからは君が走り(生き)抜く番だ」とメッセージ(バトン)を託される。
このメッセージは、生きる事を諦めかけている現在の子供たちにこそ手渡したいものだと思います。
生きる意味も、生きる実感も失ってしまった子供たちへ。
君の前に、たくさんの人たちが生き抜いて、手渡されて来た命のバトンは、今君の手に渡された。今度は君が、しっかりと握り締めて、生き抜くんだ。
うけつがれる意志とたましいの物語 ★★★★★
主人公の直樹と、「先祖」の直七との交流を軸に、過去から現在へ、未来へとうけつがれていくもの(この象徴が題名の「バトン」に現れています)を描いた、非常に完成度の高い、すばらしい物語です。子どもだけでなく、おとなが読んでも、忘れがたく感じるのではないでしょうか。死者との交流、というのは、字面だけ読めば、おかしなことのように思えるかもしれませんが、じつは、だれにでもどこにでも起こりうる、そして起こっていることなのだと、私はこの本に教えられました。「あなたはあなたに語りかける死者からの声に、耳を澄ますことができますか?」この本は、そんな深い問いかけを読者に向かって透明な言葉ではなっているように思えます。司修さんの絵がすばらしいです。