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住宅貧乏物語 (岩波新書)

価格: ¥735
カテゴリ: 新書
ブランド: 岩波書店
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本当の日本の住宅の実情を知って頂きたい。 ★★★★★
最近の住宅は、質、面積と共に向上しているが、質の高い基準を満たすのは全体の三分の一にも満たない。築30年以上の住宅もおよそ三分の一ある。この本にあるような住宅は、現実として多数存在する。ここに書いてあるのは、ごく一部の住宅ではない。あなたの回りを見渡すときっと現存する、事実である。ビルの間に埋もれた、築年数も定かでない、陽の当たらない木造のアパート。そんな住宅で起きる事故。
日本の住宅事情を知るのにいい本です。そして今、住んでいる住宅の良さや、環境に感謝できることになるでしょう。日本の住宅を改善し、いい住宅を建てたくなる動機付けになるでしょう。
今日の日本の閉塞感は住まいから来ていることは否めない。 ★★★★☆
 
 この本は約2,30年前のことを題材にしているが、今日の日本にも通用する部分が多いといえるだろう。生存基盤や人権尊重、人間らしく生きるための基本である住宅および都市環境の整備が、日本では非常に乏しいといえる。

 この本ではそのような日本の貧しい住まいが及ぼす悪影響をズバリ指摘している。土地・住宅政策を産業・経済・金融などの手段として行ってきた日本と、人間の尊厳を守るために何よりも重点を置かなくてはいけないと考えた欧州諸国では今日、大きな差が出ているといえよう。欧州諸国のあの美しく秩序感ある町並みはしっかりとした土地・住宅政策をしてきたからだといっても過言ではないだろう。
 
 日本がより危機感を抱いて土地・住宅政策をしていかない限り、住宅ローン返済・債務超過による生活の困窮、家庭の崩壊、子どもの非行、健康被害等、社会不安を増大しかねない。
 
 以前よりも住まい環境が改善されているとしても、生活の不安を取り除くためにまだまだ不十分な面が多々あると思う。

 古い本だが、危機感をしっかりと持つためにも一度読んでみる価値はある。