この本ではそのような日本の貧しい住まいが及ぼす悪影響をズバリ指摘している。土地・住宅政策を産業・経済・金融などの手段として行ってきた日本と、人間の尊厳を守るために何よりも重点を置かなくてはいけないと考えた欧州諸国では今日、大きな差が出ているといえよう。欧州諸国のあの美しく秩序感ある町並みはしっかりとした土地・住宅政策をしてきたからだといっても過言ではないだろう。
日本がより危機感を抱いて土地・住宅政策をしていかない限り、住宅ローン返済・債務超過による生活の困窮、家庭の崩壊、子どもの非行、健康被害等、社会不安を増大しかねない。
以前よりも住まい環境が改善されているとしても、生活の不安を取り除くためにまだまだ不十分な面が多々あると思う。
古い本だが、危機感をしっかりと持つためにも一度読んでみる価値はある。