よい紹介書です
★★★★☆
イタリアの現状が丁寧に解説された、実用的良書。政治、経済・社会、宗教、文化 のカテゴリーに分かれているが、配分のバランスもよい。それにこの編者の方、お金の計算とか単位の計算をときどき間違えている気がするけど、なかなか切れ味するどいよい文章を書きます。社会派。
しかし、政治はほんとうにひどい。国民のほとんどは、本をあまり読まない(「恒常的に接するメディア」で書籍をあげたのは29%、日刊紙でも43%)。代わりにテレビをよく見る(同、95%)。で、民放テレビ局はほとんどベルルスコーニの支配下にある(延べ視聴人口の94%)。ナベツネが日本テレビに加えてフジテレビとTBSも支配して、その上首相になるようなものである。そんなのありえないでしょ。こういうことって旅行で読むような観光ガイドブックには載っていないけど、知っておくとよいことかもしれない。