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古典ラテン語辞典

価格: ¥36,750
カテゴリ: 単行本
ブランド: 大学書林
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良書、財布に苦し ★★★★★
 まあ大体諸賢のレヴューに屋上屋を架するものだと思いつつ、最近本書を使っていて感に堪えぬので書かせてもらいます。
 本書の長所を箇条書きにすると、以下のようになろうと考えます。

・語の説明が厚い
 意味だけが書かれているのではなくて、繊細な示唆が多く含まれています。何でもいいんだけど例えばdonec、訳が書かれてある後に「接が用いられる時目的、意図などが表現されている」と明示されています。

・良好な例文が沢山収められている
 例文が載せられていること自体慶賀に堪えないことですが、Lacrima nihil citius arescit.(涙より速く乾くものは何もない)みたいなラテン語らしい名文が満載で随喜の涙です。

・付録が非常に充実している
 凄すぎる。これだけ外して十分売れます。特に名詞の格変化についての整理は、よくある「表+注意」の緩慢だけではなくて、各格の微細な意味が箇条書きで示され、余すところがありません。勿論普通の辞書付録にある「形容詞格変化一覧表」なども註込みで充実しています。
 しかも……
 ・名詞語尾一覧表がある!
 ・動詞まぎらわしい語尾一覧がある!
 語尾がなにがしの場合、何と何と何の可能性があるという語尾情報を網羅した一覧表があります。辞書ひくたびに常に迷子になるわたしの如き初学者にとっては天恵の如き付録です。

・変化表の並び方が大学書林『ラテン語四週間』と同じで混乱が少ない
 ま、これは私事ですが(笑)

・字がデカい
 oxfordとchambers-murrayの羅英辞典をよく使っていたのですが、両者とも余白が殆どなくて、特にoxfordは赤ペンチェックすらままならんような状態です。それが本書、余裕をもたせた活字組みは実に素晴らしい。パラパラ漫画も書けます。

 いっぽう、短所があるとすると、まずひとつは研究社羅和辞典なんかと比べると収録語彙が明らかに少ない点ですが、中級くらいまでの古典ラテン語には十分対応しうるだけの収録でもあろうかと考えます。
 もうひとつの短所はいうまでもなく高価なこと。値付けはコンペティターを意識しつつ行われるのが本来の遣り方で、日本のコンペティターはやはり上記研究社羅和辞典だと考えるのですが、ライバルの7倍になんなんとする価格をつけて恬として恥じぬのは商売人としてはどうなんだろうなあという思いは致します。
 ただまあ稀覯書を買うと思えば、なぁ……
初めてのラテン語「学習辞典」 ★★★★★
英語を学ぶ恵まれた環境に慣れた人は、古典語を学ぶ際は随分戸惑うはずだ。ラテン語の辞書は長い間需要はあったはずなのだが、現在手に入るたいていの英和辞典の懇切丁寧さに匹敵するものは望むべくもない。しかし、この状況は「古典ラテン語辞典」の出現によって、大幅に改善されたといって良い。この辞書は対象を初学者に限定し、語彙を「古典ラテン語」に限った*学習辞典*である。すべての例文には和訳がつけられ、さらには例文中の単語の用法や関連する文法事項について、巻末の詳細な文法解説へのポインタまである。一冊丸々辞書であり文法書であり参考書である、と言ったらいいだろうか。長期間「初学者」であり続けるだろう私にはすばらしい辞典である。

確かに高価だ。私もたっぷり悩んだが、10万円のパソコンが3年で骨董品になるのに比べれば安いじゃないか。(いくら「需要」があるといっても英和辞典のように毎年何千(何万?)冊も売れるわけじゃない。) ラテン語をどのくらい勉強する気があるかというのも選択のポイントだろう。1年でやめるなら高すぎる。確かに語彙数は多くはない。それだけきちんと学習辞典として絞り込まれているということだ。万能のラテン語辞書は(残念ながら)現在存在しない。辞書を選ぶには、何を重点に考えるかが重要だろう。基礎的な単語とラテン語文法の理解に重点を置くのなら、この辞典はまさしく最適だろう。

ついでに言うと、活字が小さすぎず、目に優しいのが(もはや若くない)私にはうれしい。
せめて見出し語数は多くして欲しかった! ★★★★☆
初学者向けにしては値段が高かと思いますが、この手の本は仕方ないと思います。研究社の『羅和辞典』よりは大判で見やすいのですが、せめて見出し語数は研究社の『羅和辞典』(約四万五千)よりも多ければ良かったのではないかと思います。
あまりにも価格が高すぎます! ★★★☆☆
出版社の営利を追求する気持ちは判りますが、この会社の辞書は値段があまりにも高過ぎます。特にラテン語は殆どの学問分野の方が必要としており、可成りの需要が有ることは、研究社の『羅和辞典』の根強い人気からも判るはずです。原価計算から割り出しても、恐らく3~4000円の定価でも十分採算がとれるはずです。こんなに函やクロスや用紙に無駄な、こけおどしのコストを掛ける必要性はないと思います。通常の英語の辞書のようなハンディーな造りで十分なはずです。内容が良いだけに、この手の辞書が発行される度に残念でなりません。本来の定価の10倍はボリ過ぎです。内容的にはファイヴスターですが、価格の点でスリースターと致しました。版元に猛省を求めます。