考え方は共感できるが、取って代わるモデルの具体性がキーか
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某ビジネス誌などでBeyond Budgetingの考え方は随分前から知っていましたが、まさか邦訳が出ているとは知りませんでした。
これまでの"予算管理"というマネジメント・モデルが経営資源を徒に浪費し、変化への対応という機動性に欠け、その官僚的システムの故の逆機能を発生させるなどなど問題点の指摘や批判は適切かつ明快で納得できる点が多く、今までモヤモヤしてた"予算"に対するフラストレーションを整理してくれて、非常に参考になりました。
ただ、現場のマネージャーへの権限委譲やベンチマーキングを利用した相対的改善契約に関する具体策は、頭では理解できるものの、今流行ってる考え方との整合性を意識しすぎて"取って付けた"感があって、現実性の実感がやや乏しい感があります。
補足する類書や明確なモデルが出てくると分かりやすいのですが。
予算を廃止するとは何とradicalな!!
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はじめは予算を廃止して、どうやって経営するのか疑問でしたが、ハンデルスバンケン銀行の例などを呼んでヒントを得ました。銀行員として大いに賛同する面がありました。ただし、日本は中央集権で本部、総合企画部などの力が強く、予算信仰が強いので、権限委譲モデルは導入が難しいとも思いました。
しかし、画期的な概念で是非研究すべきテーマですね。その意味で素晴らしい本だと思います。英語も日本語(本書=翻訳を云々する方もいますが、絶対良い訳です=お勧め!)も熟読してみましたし、(結構大変でした)、BBRTのHPや日経ビジネス、野村総研の論文、生産性本部のセミナーなど資料も集めました。だんだん分かってきましたが、まだまだ奥が深いです。もっと研究しようと思います。
それから、なぜ北欧企業に導入企業が多いのでしょうか?文化的な違いがあるのでしょうか?日本企業でも導入があれば事例をしりたいですね。日本たばこさんがBBRTに参加したとありますがどうなんでしょうか?この話題は興味が尽きません。来年のひとつのビッグテーマになるのではと期待します。
生産性出版さんに感謝です。
感動しました!!!
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探してみました。日経BP社の日経情報ストラテジー12月号に本書につき杉山記者の書評が出てますね。予算制度は現代の経営にマッチしない、として共鳴しています。日本人になじみのない北欧企業のケースが多かったり、欧米流の専門的抽象的(ただ他の方の批評にあるように専門家たちによる高度な翻訳はレベル高いと私も思います。意識してリスクの大きい飛躍的な超訳を軽率にしていないのですね。)な面もあるが、予算の弊害を鋭くえぐり、解決策の事例を示している。日本企業にとってまさに革命。久しぶりに画期的な専門書に出会いました。日経BP社も深く動かされて、著者に直接電話取材して、1月号では特集記事を組んでいる。「【特集1】 予算の呪縛から逃れる脱予算モデルでストレッチ経営”を目指す 」という題です。この手の本ではバランストスコアカード以降の最も画期的なものではないでしょうか。心から超お勧めです。実際に固定予算を廃止するのは難しいでしょうが、日本でも脱予算経営の研究が進むと良いと思います。ビジネス界の方や大学関係の方、是非お願いします。
英語も日本語も読んでみたらよりいいですね。続編の出版を期待します。
日本企業への警鐘、至高の専門書
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予算を廃止するという主題は過激で驚いた。ただ予算に過大な時間やマンパワーを使っている。交際費や投資枠などは既得権なので使いきらないと来期貰えない。営業ノルマは達成したら、あとの実績は来期に取っておこう。期末にぎりぎりなら何が何でも押し込み販売だ。(ひどい場合は粉飾まがい?)こんな日本の情景も目に浮かびます。レベルの高い経営書ですから、こんなふうに砕けては書いてませんが画期的な本です。ケースがその解決策もしめしています。欧米の作者、論理なので繰り返しが多く、専門的ではありますが、(その意味で翻訳もプロによる忠実な専門翻訳で危険な意訳、乖離をしてません)レベルの高い読者にはとても有難いのではないでしょうか。経営者は必ず読むべきではないでしょうか。至高の一冊です。
訳が良くないですね。日本語として変な感じでした。
★★☆☆☆
期待して購入しました。あまりにも直訳過ぎて、今、何故、Beyond Budgetingかのメッセージが不明瞭だったと感じました。また、日本企業に取ってどう位置付けるか良くわかりませんでした。単なる解説本としての位置付けですね。