本書は以前の簡単なものとは違い、64ページにわたって聖書とその背景になる古代のオリエント文明の地図がすべてカラーで集成された実に立派なもので、一般読者には十分なものとしてお薦めできる。というのも、ドイツとデンマークの聖書協会の企画したもので、解説文を日本語に翻訳・補足したものである。実際に印刷・製本もデンマークで行われたもの。それゆえのミスもあるけど、私が買ったものにはきちんと正誤表も添付されていた。
解説文がやや簡単に過ぎる感もするけど、聖書を読む上での参考書としてはまずは不足のないものである。ただ、ほぼ正方形の大型変形本の上にハードカヴァーの立派な(すぎる?)製本。持ち運びや所蔵にはやや不便なのが惜しまれる。
付録として、人工衛星が撮ったパレスチナの写真がついていて非常にきれいなのだけど、この地で今起きていることを思うとやりきれない気持ちになる。