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健康問答 本当のところはどうなのか? 本音で語る現代の「養生訓」。

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本
ブランド: 平凡社
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肩の力を抜いて読むのがよい ★★★★☆

作家の五木寛之氏と医学博士の帯津良一氏が対談形式で健康に関する様々なテーマについて素直に思うところを語っている。

読んでいてびっくりするような内容なく、常識的な見解が書いてあるような気がする。例えばウォーキングをするとか玄米を食べるといった様々な健康法に対して否定はしていないが、一つの健康法に片寄りすぎるのはよくないというのが基本的なスタンスだ。

そういう意味では健康法を学ぶという肩肘を張った姿勢ではなく、五木氏という人生の達人と帯津氏という経験豊富な医師の面白い話を気楽に聴くといった感じで読むのに適した本だと思う。

沢山の問答の中で個人的に一番印象に残ったのはQ45の「笑いは、ほんとうに元気の源か」である。笑いより涙の方が医学的効用があるという意見はなるほどと思ったし、辛いときに無理に笑うのではなく「人間は悲しくて寂しいものだ、と決めようじゃないか」という帯津氏の意見には素直に共感できた。
医療とはそのように人間的な、常識的なものかと、嬉しくなるような対話振り。 ★★★☆☆
当代隋一の名医と現代文豪の対話集、それも健康と言うテーマに絞った
対話である。結構面白く楽しんで読めました。

健康や養生にマニアックなくらい詳しい五木さんが、一般人の視点から、
ホリスティック医学、東西医療の融合を試行する帯津先生に、「本当はどう
なのだ!」と、どんどん質問を投げかけていく。悠々とした帯津先生の回答
がまた超ゆるやかで、人間的である種いい加減で、要するに医者の衣を
脱いだ本音の考え方が出ていて実に面白い。

医療とはそのように人間的な、常識的なものかと、嬉しくなるような対話振り。

健康オタクの五木さんの方が詳しかったりする知見も見受けられるが、それも
何一つ嫌がったり隠したりしない、帯津先生がステキ。

医者よりも患者さんのほうがインターネットの時代は知識が幅広いのだとまで
言っている。患者と医者が歩み寄って治療はなされるものだと教えられた。
医者も悩みつつ考えつつ、全てを知っているわけではなくやっているのだと。

このように医者の素直な心が出ている本は結構珍らしいのではないか?
五木寛之さんにしかできない対話術がなせるワザかもしれない。
五木寛之さんと帯津先生から肩に力を入れない健康法と生き方を教わりました。 ★★★★★
本書は私の好きな有名作家五木さんとガンの代替治療や西洋医学と東洋医学の融合で有名な帯津先生との肩に力の入らない、気楽に読める健康問答です。


本書で、帯津先生はこれが絶対に正しいということはあまりおっしゃらない。人はそれぞれであるし、「巷にあふれる これでガンが治ったという話」にも、それは、たまたま、その人に合った対処法にめぐり会ったということ程度のことだろうし、もしめぐり会わなかったとしても、それはそれで、天から与えられた運命だと思って死ぬまでを精一杯幸せに生きられればそれでいいのではないのだろうかと言った感じで五木さんと話されている。

私は、個人的に以前から注目し続けていた「ガンの免疫療法」について、帯津先生が、「理論的には素晴らしい手法であるが、現実の臨床の場では、その素晴らしさを患者さんに授けることができる程、現状では技術的に進んでいない」という問答が一番参考になった。
一日も早く、免疫療法がガン治療の主流になってほしいものだ。


なお、この本はこんな難しい話ばかりではなく、

・水はたくさん飲んだほうがいいのか
・冷たいビールは体に悪いのか
・牛乳を飲むのは体にいい事なのか?

などの日常の色々な説に対して、帯津先生と五木さんの問答で話が進んでいき、終わりに「医者の結論」として見解がまとめられている。

・ウォーキングは体にいいのか
・サプリメントは本当に有効か

最後の方は

・長寿が本当に幸せか

というところまで触れられている。

気楽に読める本であるが、健康という切り口から人生についてまで思いを寄せられる良い本である。
癌などの大病にかかる前の、気休めにはなるかな ★★★☆☆
 近年オカルトがかってきた(本書で本人も「怪しい本」と言っているが)五木氏と病いを体、心、命の三位一体として丸ごと捉える医療を行っている帯津氏による対談本。
 様々な問題に対し、“ズバリ!”と回答を出しているわけではないので、「本当のところはどうなのか?ズバリ!訊きたい」と考える読者には物足りないであろう。
 安保氏、石原氏、新谷氏とはまた違った角度で、健康に関する情報を得られるが、自分に合う健康の真実は人それぞれで、本書を含めて多種多様な情報から何が自分に合うのかを試すほかない。
健康に答えはない。笑いはある。 ★★★★★
とにかく、笑える一冊だ。可笑しくて可笑しくて仕方がない。健康問答。肩肘張って、病因渦巻き、病院難民迷えるいまの世の中である。酒は百薬の長か?メタボリックは?岩盤浴は?塩分の採り過ぎは?マクロビオティックって?
 およそ世の中は健康に対して神経質になり過ぎているのかもしれない。その答えを、名文家と名医が組んで書いた本なら、きっと明確な長生きの秘訣が書かれているに違いない、と思うことだろう。
 その期待は気持ちよく裏切られる。我々を脅かす健康情報に冷や水を浴びせかけ、捏造された情報を笑い飛ばす。
 しかし、である。帯津氏の、愛嬌たっぷりの発言の中に、しっかりとした経験値と医学的見地からの鋭い意見もあり、だからこそこの和やかな“深刻本”に信頼という名の重みが備わってくる。
 今、健康について迷っている人は、是非一読し、まずは気の病から治そうではないか。健康の尺度は人それぞれ。健康である、というジャッジは、結局医師のアドバイスを受けて、自分が決めるものなのかもしれない。近頃食欲不振だった私は、早速パン二枚にヨーグルト、チーズ3片に、自らベトナム珈琲を湧かして満腹になり、朝の一服を愉しんだ。
 “心気症社会”に効果覿面の一錠。ただし、「これ一つしかない」「これだけで解決だ」という売り文句に疑問符を付ける「中道の五木流」に倣うならば、気になる本をもう一冊手に取って、自分なりの健康観を養うといいだろう。(了)