死刑廃止か賛成か、タイトルではっきりして欲しい
★☆☆☆☆
他にも何人もいらっしっしゃり、 この筆者もですが、筆者が死刑賛成か廃止かのどちらを訴えたいかわからない曖昧なタイトルで本を出さないで欲しいです。
外国では、宗教と政治の話はかなりのタブーで、友達でも同じ信条の人の間でのみ語られるものらしいです。
それゆえにマスコミとして、公的立場で発言される方は、ご自身の機色を鮮明にして、無色の他人を洗脳するごとき本は書かないで頂きたいです。
初めて死刑について触れる本が本書の場合、引きずられる危険が高く、自ら考えて判断する入門書として買った購入者には迷惑と思います。
死刑制度を国民が考える必要性
★★★★☆
この本の一番の要点は、死刑制度が官僚の手によって必死に守られているという事実です。
「執行しなければなくなってしまう」
「法務大臣に何としてでもサインしてもらう」
その流れの中で、死刑がいかに行われていくかを辿っていく著作です。
途中、日本の死刑制度が持っている他の問題点も指摘しています(死刑囚への人権意識の低い対応、被害者への告知なし、恩赦の形骸化など)。
日本の死刑制度は問題が多すぎることを教えてくれます。
筆者は示していませんが、打開の鍵は「裁判員制度」にあるのでしょう。
死刑に賛成であっても反対であっても、読むことをおすすめします。
非常にストレートな一冊です。
★★★☆☆
タイトル通り、まさに日本の死刑とはどんなものか、
死刑囚たちは何を思い、「その日」を待つのか、
そして、死刑とはどのように執行されているのかがストレートに書かれており、
非常に興味深い一冊でした。
現在の日本でも、死刑廃止、続行・・・それぞれの価値観により、色々な意見があります。
個人的には、死刑とはやはり罪の償いのひとつの選択肢であるとは思います。
ですが、死刑を執行するのも同じ人間であるというのは、
何とも心苦しい現実であり、
死刑を実際に執行し、また、その「後始末」をする人間の立場というのも、
仕事とはいえど、なかなか酷なものであると感じました。
そのあたりのジレンマなども、この本では少し触れられています。
ある日「今日死刑執行です」と言われ、一生を終える・・・・・
勿論死刑囚なので、それが当然とはいえど、とても残酷な現実です。
それなら、執行されるまで何年も、生きた屍状態で拘留しておくよりは、
死刑判決が出て三日後くらいに、即座に執行してしまったほうが、
死刑囚の心の負担も軽いと思いますし、
税金の無駄にもならないのでは?と思いますが。。。
死刑をすぐに執行しない理由のひとつに「冤罪の可能性」というのがありますが、
死刑判決までに年数を費やして何度か裁判も行われているのに、冤罪などあるのかは疑問です。
現在、死刑確定から執行までに平均五年、というのは、非常に長いと思います。
今も「その日」を待つ死刑囚は、塀の中から明日の光に怯えながら生きているのです。
そして明日にでも、もしかしたら突然の宣告を受ける死刑囚はいるのかもしれません・・・・・。