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自閉症の心の世界―認知心理学からのアプローチ

価格: ¥2,730
カテゴリ: 単行本
ブランド: 星和書店
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著者の中枢性統合理論そのものがもう廃れている。研究方法が過去のトレンド ★★☆☆☆
 最近の海外の研究動向を見ると、著者の信奉する「中枢性統合理論」への言及にはまずお目にかからない。本書が参考文献に挙げられていることはあるが、ハッペが共著者となっている研究書も見たことない。もちろんこれはレビュアーが購入するような文献がハッペとそりが合わない動向のものなのかもしれないが、少なくともそこでは、この本で批判の対象として攻撃されている反「心の理論」のホブソンの方が圧倒的に「引っ張りだこ」になっている。しかし、この本の大半が費やしている「言語的テストに答えられるような年齢層で、かつ高機能」という自閉症者ばっかり集めて心理テストを行い、その結果から、いきなり重症例にまで当てはまる(と称する)「自閉症の一般理論」を導き出すというアプローチはもう過去のトレンドなのではないだろうか。今日の研究動向は0〜1歳の自閉症児の発達過程はどういう特徴があるのか、という方向に向かっているように思われる。
 一昔の研究スタイルを知るには良書であり、一読の価値はあるだろう。だが、現時点でも中枢性統合理論がホットトピックスであるかのような誤解を与えそうだ。(それにしても、昔話の中の登場人物の断片的な行動特徴を取り上げていきなり「自閉症を指している」と断ずるのはいくらなんでも止めた方がいい。比較文学史を学ぶ必要すら感じていない著者は「実験バカ」に見えてしまう)
「心の理論」をめぐる議論をまとめた最良の書 ★★★★★
自閉症圏の最大の特質とされる対人障害のメカニズムを読み解く鍵とされる「心の理論」。これまで学界で様々な議論を生んできたが、著者は平易に分かりやすく紹介し、丁寧にそれぞれを評価していく。専門書ではなく、読み物としてもすばらしく、自閉症に興味のない人でも知的興味を相当くすぐられる内容になっている。約10年前に出た書物だが、全く色あせていない。
自閉症の特異な心の内を垣間見るために ★★★★★
自閉症の「認知様式」にスポットを当てた本です。
自閉症は脳に病因をもつ発達障害なのですが、現実場面で自閉症者がどのように振舞うかということについては専門家でもないかぎり、「脳障害」という点から理解・予測することは難しいはずです。
脳に障害があると、認知機能面でどのような影響が現れるか。著者のハッペらは「心の理論の障害」や「中枢性統合の障害」といった仮説によってそれを説明しています。
私見では、自閉症の心理理論は直接治療に直結することはないと思うのですが、現実場面で患者がどう行動するのかを適切に理解・予測することに関しては大変有用であると思われます。自閉症には特異なコミュニケーション障害が見られますが、どうしてそのようにコミュニケートするのかということを「なるほど、彼らには世の中や物事がこういう風に見えているんだ」という洞察によってある程度理解が可能になるのではないのでしょうか?
つまり脳→行動といったルートは予測が難しいので、そこに「認知」を媒介させることで行動の予測を容易にします。健常者同士でも、普通、相手の行動は「何を考えているのか、何を感じているのか」といった観点から理解していますよね。
また自閉症によって障害される「心の部分」というのは人間の社会性にとって不可欠の部分だと思われます。したがって、こうした症例を知ることによって、それと対比的に自己理解も深まるのではないでしょうか。そのようなわけで、自閉症それ自体にはさして関心がない方でもなかなか興味深く読めると思われます。
専門書です。 難しいですが挑戦する価値有り。 ★★★★☆
自閉症の心の理論に関する解説書だと思えば間違いないと思います。内容はやや難解です。最近出版された自閉症に関する読みやすい本を何冊か読んで知識をためてから読んでください。心の理論に関する内容がほぼ理解できると思います。
サリーアンの課題やストレンジストーリーズテストなど心の理論に関する検査方法にも詳しく触れられています。