無力感とはいくら努力したところで自分のおかれている状況に何の変化も起きないと思ってしまうことをいう。
効力感とは自分の努力によって周りの環境を変えていけるという感覚のことをいう。
新しい点は無力感とは後天的に獲得されるという点だ。自分が状況を変えられない耐え難い苦痛に長期間さらされると無力感が強まってゆく。そしてこの状態が続くとその他の変えうる状況に対しても変えようとする意思がなくなってしまう。
こういった無力感と対極に位置する感覚が効力感だ。これを獲得するには次のようなことが有効だとされる。
1、「自分は環境を変えることができる」という成功経験を持つこと。
2、失敗の原因をどこにおくか?これには自分の能力不足と考える人と努力不足と考える人がいる。そして能力不足と考える人は無力感を感じがちだ。何故ならば能力とは短期には変わらないものであり、これに対しその時どれ程努力するかどうかは比較的に自分の意思で変えられることだからだ。
3、人間には自分のことを自分で決めたい、自分にことを自分でコントロールしたいという欲求がある。この自立性を獲得できるかどうか。
4、教えあいによって得られる他者から役に立っているという感覚。
5、自己の向上判断基準が外部基準ではなく内部基準であること。熟達者たちはその分野に関して構造化された知識(=schema)を持ち、あらゆる判断を行う。これを用いて自己評価を行う。よって自律性を得られやすい。
どの主張も科学的実験による裏づけがとられていて信憑性が高い。