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問題解決の心理学―人間の時代への発想 (中公新書 (757))

価格: ¥798
カテゴリ: 新書
ブランド: 中央公論社
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メタ目標 ★★★★★
 人の心の働きや行動を扱う分野だけに、考えさせられるとは多い。本書では、分かりやすさに力点を置いて問題解決という目標に向かう私達の持って生まれた能力や苦闘の姿を映す。どういう説明に妥当性があり、得心できるかを読者に追っている、とも言えよう。その分かりやすさのために、三つの小説を要所要所で引用している。それは、新田次郎『強力伝』朋文堂(昭和30年)、石川達三『蒼氓』改造社(昭和10年)それと壺井栄『二十四の瞳』光文社(昭和29年)の三冊である。古い小説ではあるが、いずれも名作。引用文から受ける限りでは石川達三『蒼茫』は、著者によって問題解決のプロセスを「問題を表現」し、「解く」、「吟味する」がようやく分かったかと思いきや、「お夏」の描写でまた分からなくなる。喜びや希望という新しい目標に立ち向かおうとする読者に対しての、影なのだろうか。

 ページ数や前後の関係はあるが、前半を端的に表現すれば著者の次の言葉にある(p.142,153)。
 >状況を理解していなくては問題を適切に表現することはできないのに、問題を表現することによって始めて状況が理解できる

 後半は、ノイマン型コンピュータを超える情報システムも登場するが、問題解決者としての人間の特徴を次の6点に示す(pp.222-235)。
(1)生きて働く記憶
(2)原因―結果、および手段―目標の関係による物事の理解
(3)問題の適切な表現+表現形式の創造
(4)知識のダイナミクス
(5)自分を見る機能
(6)感情のコントロール機能
 そしてこれらの機能を統合し一貫性を保つことができるのは次に示す能力があるからだと結論づけている(p.248)。現実的なそれであるのか非現実的であるかは、本を読んだり映画を見たりしてもなかなか身につかないものではあるが。
 >自由に目標を作り出すことができる能力である

目次、章節項。索引、なし。参考文献、あり。ひも、なし。
問題解決を行うためのプロセス、仕組みが学べる ★★★★★
 本書は巷にあふれている主張理由が不明確なハウツー本ではなく、認知心理学や脳科学といったものを根拠に、いかに問題解決を行うかについて考察されている本です。この本を読んだからといって問題解決をすぐにできるようになるわけではないが、問題解決が行われるプロセスについてきっちりと書かれているため、本書を読むことで問題解決力を伸ばすための土台が養われると思います。「こうすれば問題解決ができる!」といった甘い言葉はないので、啓発本としては読まないほうがよいです。
 この本は、広く社会人から学生までを対象としているが、高校生や中学生といった、テストのために暗記を強いられる人たちにも非常にためになる本です。問題解決をする上で頭に知識や経験といった情報が入っていることがいかに重要か、本書はその点についても書いています。テストの点数に直結はしないでしょうが、今やっている勉強の意味が少しわかるかも知れませんので是非読んで見てください。
人はどのようにして問題を解くのか ★★★☆☆
人はどのようにして目の前の問題を解決しているのかという大きな命題に対する考察です.問題解決のプロセス(理解,解決,吟味)において,人間のどのような心理的機能が使われ,それらがどのように連携しているのか,非常に難しい問題です.この問題が解明されると人間と同じ感情や柔軟な解決能力を持ったコンピュータやロボットが誕生するのでしょう.

本書では,石を山頂に運ぶ仕事をする男,ブラジルへ移り住む女,二十四の瞳の子どもたちといった文学作品の主人公たちを例にして問題解決の諸問題を解説していますので,難しい問題ながら読みやすくなっています.
何のための心理学 ★★★★★
問題解決とその人間像を心理学の視点から捉えた書。なじみのある参考例と平易な文章、的を射たコメント、構成の良さ。

人間とはどんな存在か、という視点から問題解決場面でフル活用される知識・イメージ・思考・実践・評価・統合といったトピックを扱うことで、「何のための心理学」というダイナミックな問いかけのなかに問題解決を位置づけていることに特徴がある。

知識やその活用としての「知恵」の側面だけでなく、汗と涙、勇気、希望などの「情熱」、意地・持続・執念・動機などの「意志」、そして究極的には「人生の目的」などについても考えさせられた。

読み手にとっての落とし穴としては、問題解決というとても身近な話題を多く扱っているので、皮肉なことに、問題意識がないとこの本の良さが認識されにくいのではないか。事実、一回読んだときにはそれほど心に残らなかったが、必要に迫られ、本書を参考に読み直したときには、貴重な本として認識できた。

また一人で読むのもいいと思うが、教室などでトピックとして取り上げ、人と語り合うことで、さらに味わいが増すように思える。自分と人との違いなどの認識、そして共通点、といった教育的価値も引き出せるだろう。
3回読みましたが・・・。 ★★★★☆
問題を解決するときの心の動きを知りたくて、この本を読みました。「二四の瞳」など、いくつかの小説を題材に問題解決について説明がなされています。3回読みましたが、雲をつかむような、なんかすっきりしない読後感です。私には難しすぎました。