カラーで親しみやすい宇宙論の本
★★★★★
宇宙論、宇宙の最初と銀河のでき方が最終的に理解できるようになっています。
カラーなので見やすく、わかりやすいです。天文学の最初の用語の説明から入っているので、初心者にも読みやすいと思います。ただし、数式や定数などをきちんと理解するには、数学の基礎をきちんと理解している必要があります。もっとも、複雑な公式などはありません。
とてもわかりやすい反面、もっと説明がほしいと感じるところもありますが、新書なので仕方がないでしょう。また、天文学の初心者には専門的すぎるかも知れません。
天文学の中でもビックバンや銀河についてよく知りたい人には、とても良い入門書だと思います。
宇宙の暗黒と銀河の形成について
★★★★☆
本書のタイトルを最初に見た時、「どこかで見たことのあるタイトルだな」という印象を持ちましたが、著者である谷口先生が数年前にブルーバックスで出した『暗黒宇宙の謎』というテーマ的には本書に近い宇宙の暗黒(ダークマターやダークエネルギーなど)についての解説をした書籍でした。全編モノクロ構成のブルーバックスとは異なり本書はカラー図版が多用されている事もあって、構成的に見れば宇宙科学に関する初心者の方でも読めるようになっています。
内容的には『暗黒宇宙の謎』において述べられていた宇宙のダークサイドに関連した事の他にビッグバンやインフレーション、宇宙の誕生という宇宙の歴史に関わる領域にも触れられている事もあって、宇宙論の入門書的な側面もあるように感じられました。また銀河の誕生に関する解説は谷口先生が手がけている分野だけに銀河が形成されていく歴史を面白く読ませる内容になっていました。個人的には星雲や様々な銀河、銀河団といった天体写真と合わせて宇宙の歴史や宇宙のダークサイドならびに銀河の歴史について手軽に読む事が出来る事は有用ではありますが、『暗黒宇宙の謎』で取り上げられていた宇宙の大部分の見えない領域の事や谷口先生の専門分野の銀河に関する事についてももっと掘り下げて説明・解説して欲しかったとも思われました。
ダークマター
★★★☆☆
宇宙の本は、ホーキング宇宙を語るとか、インフレーション理論とか興味がある
キーワドに引かれてときどき読んでいます。
今回興味があったのは、ダークマターです。
この本は、ハッフル&すばる望遠鏡によって撮られた映像が十分生かされて
いて楽しく読めました。また、本の構成も興味をそそるテーマ
に絞って章立てされているので飽きずに読めたように思えます。
宇宙の誕生、星、銀河の誕生、だれもが一度は考えたなぞにたいして
歴史的な理論を紹介しつつ結論に至る。
ダークマターという未知の物質がなんなのか?
その物質の解明が今後またれるところです。
<<「私たちの住む宇宙では、私たちの知っている元素が寄与して
いる質量は、たった4%である」…残りの96%の内訳…
・22%:暗黒物質(ダークマターとも呼ばれる)
・74%:暗黒エネルギー
>>
<<2007年1月、驚異的な研究成果が『Nature』誌に発表されました。
ハッブル宇宙望遠鏡の基幹プロジェクトである『宇宙進化サーベイ(通称cosmos)』
チームが、ついに宇宙の暗黒物質(ダークマター)の3次元マップを描き出す
ことに成功したのです。しかも、ダークマターの中心に寄り添うように
銀河が分布しているのです。ダークマターが宇宙の物質世界を操り、
その中で普通の物質から銀河が生まれる。この銀河形成のパラダイムが
観測的に実証できることになります。>>…「暗黒宇宙で銀河が生まれる」参照
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宇宙を構成している物質の96%が未知の物質(ダークマターと暗黒エネルギー)
であり。ダークマターは、原子の5.5倍もの質量密度を持ち、
その存在なしには、銀河宇宙の形成はなしえない、たとえば、暗黒星雲のなかで
星が誕生したり、近年の宇宙にたいする発見は、それまでの常識を一変させています。