今まで、弁護士とは正義の職務だと思いたかったのだが、
実際はすべてが正義に則って動いているわけではないようだ。

たしかに私の知人を見ていても感じていたことなのだが、
彼が重要視しているのはお金に関連する人間関係や知識、安定といったものだった。

そう考えると、弁護士も生活が第一であり、仕事を選ぶのは当然かもしれない。　

しかし、このような状況が弱者を切り捨て、
強者に有利な状況を生み出しているのではないだろうか！

少なくとも、悪意ある行動に悩まされ泣き寝入りしている人は後を絶たない。


さて、我われの常識では、仮に弁護士に高い賃金を払うことができれば
裁判などで有利に戦うことができると思っているのだが、
弁護士は法律の専門家であって、証拠の専門家や調査の専門家ではない。

この調査や証拠がなによりも大切なのは知っておきたい。

そして、新たな情報収集において、１００の準備で３０の結果、
３０欲しければ１００用意しなければならないそうだ。


最後に、女癖が悪い人。

女が絡んだら相当厄介なので本書を読んで改めたほうが良いかもしれません。　

著者である平塚俊樹氏は日本でたった一人の裁判沙汰において証拠を集める専門家であるエビデンサー（証拠調査士）です。
その著者がこれまでに解決した問題の一部を紹介しているのが本書。

バックに宗教団体がついてる離婚詐欺、バックに暴力団がついてる女ストーカーによる金銭恐喝、交通事故で明らかな過失を持つ加害者が、被害者が入院していて動けないことをいいことに告訴したりなど信じられないような事件が次から次に出てきます。しかし、これが他人事ではすまないことが現代社会の恐いところです。

そういった悪質な問題の対処の仕方を知ることができます。
ただ、本書を読んで得ることができることは対処方法といった表面的なことだけではなく、心得も学ぶことができます。

自分の身は自分で守らなければならない、ということです。

弁護士に頼り切り、国に頼り切り、何かに頼り切りになることは非常に危険です。それに何も考えず誰かに頼り切っていると、自分自身の状況も認識できませんし、結局は何も分かっていない人には誰も協力してくれません。というより協力しようがありません。協力を得るためにも、問題の深刻化を防ぐためにも、知識武装が必要だと感じました。

また、読み物としても非常に面白く、悪に命がけで正義が勝つという展開の痛快な一冊です。

トラブルが発生したとき、まずは弁護士
その弁護士が解決してくれるって・・・
それは大きな誤りだという事が事例から学べます。

重要なのは　P110
「本人が動かなければ、トラブルは解決しない」という事実
その行動を、証拠のとり方、地域を味方につける方法など
実践的に紹介しているトラブル解決入門書です。

家族・友人に相談されたときにも、的確なアドバイスができるでしょう。★３つ

　人とのトラブル解決の方法を具体的に述べている。こんな事例があるのかと思うような極端な事例を出している。弁護士に依頼する以前の証拠集めのやり方をいろいろと示しており、こういう方法を使うのかと勉強させられる。ひとつ気になるのは、著者はカウンセリングを専門とする医者を神経内科と言っていることである。、これは精神科、あるいは心療内科の誤りだろう。神経内科は脳梗塞や多発性硬化症のような神経がからむ分野を専門とし、心がからむ分野を専門とするのは、精神科あるいは心療内科である。

交通事故、宗教団体の悪質な勧誘、セクハラ、集団ストーカー、不動産賃貸トラブルetc
今の自分には関係なくとも、いつ自分の身に降りかかってくるかわからないトラブルに対し、いかに対処しいかに戦うかを具体的に解説している本。

自分が正しければ（悪くなければ）法律が守ってくれると思いがちですが、証拠がなければ警察は動いてくれないし、儲かる話でなければ弁護士は動いてくれない。
証拠調査士として活躍する著者が、証拠の集め方、警察・弁護士・関係団体の動かし方、戦うための心構えをわかりやすく教えてくれます。

またトラブルの対処の仕方だけでなく、そもそも「こんなトラブルもあるのか！」という発見もあり、日頃からトラブルに巻き込まれないための心構えができるようになります。
仮に巻き込まれてしまっても初期動作を正しく行えるようになるのではと思います。

ぜひ一読をおすすめします。