西部のお山はやっぱりこの色ですよねぇ〜。
★★★☆☆
変った映画だなぁ〜、というのが正直な感想。
近年の「大物監督」イーストウッドから入り、少しずつ過去に遡り中の僕のような者からすると「え?」という作品。つまんない、ということではないです。
なんか、イビツなんですこの映画全体が。特に助けられたお礼に主人公を泊める気のいいオッサンと共同生活を営む母娘。男の色香漂うイーストウッドにときめく娘とか、なんかこう、もうちょっと可愛く描けたんじゃない?と。生意気でワガママはいいとしても、最終的には成長するとかさ、西部劇というジャンル映画の最たるものなんだからそういうお約束を見せてくれればいいのに、微妙に斜め上を行っているこの感覚。あと、もっとアレなのが母親。前半はキーキーキーキー言ってばっかりのやなオバサンで、後半ようやくオッサンとの関係を一歩進める決意を固めたと思ったら…え、何それ!な展開。結局この人の行動原理がイマイチよくわからん。もちろん、イーストウッド扮する主人公だって何考えてるかわからんが、まぁ別にそれがわからなくてもイーストウッドぶりを楽しめればそれでいいのでそこは気にならないのだが。
イーストウッドには「女は不可解だ」という裏テーマがあって、ホントに何考えてるかが読めないこの2人を配したのか、とかそんな想像をめぐらすくらいにフシギなキャラクターでした。
で、そういうところもあるかと思えば、西部劇として大事な敵役がえらいかっこいい。そろいの帽子とコートを身にまとった細身の悪徳保安官&6人の部下が、そろい踏みしたシーン、揃っていきなり発砲のシーン。神経の行き届いたビジュアルと演出にシビれる!
…でも、意外と活躍する時間が短いんだよね…もっと早く出してやれよ…
あと、イーストウッドはやっぱりイーストウッド。つまり最高ってことですよ。
とまぁ、僕としてはいいとこダメなとこが両極端なままゴロっと転がっている映画でありまして、ベタ褒めするようなものではない。…ないんだけれど、要所要所に色々フックがある映画であるのも確かなので、またいつかもう一回観てもいいかなぁ…。
という煮え切らない感想がよく似合う映画だと思います。