日本のメディアは軍事オンチで、まともに軍事を説明できる人は少ない。
海兵隊を特殊部隊と呼び。陸上自衛隊に編成された西部方面普通科連隊を自衛隊初の特殊部隊とニュースにした事もあります。
この程度の知識の人間が、日本は軍拡をするべきではないとか、必要最低限の軍事力に止めるべきと論じるのは笑止な限りです
軍事知識が皆無な人たちが、どうして必要最低限の軍事を論じる事ができるのでしょうか？

特殊部隊とは、大部隊同士の戦いが主となる正規戦に対して、個人または少数の部隊同士の戦いが主となる非正規戦に対応した部隊です。
西部方面普通科連隊は、上陸作戦を目的とした部隊であり、空挺部隊や戦車部隊と同じ、正規戦に求められる役割を担う兵種の一つに過ぎません。

そして特殊部隊の任務は多岐にわたり、偵察やテロ・ゲリラ作戦やテロ・ゲリラ掃討あるいは潜入任務などです
世界初の特殊部隊と言われるイギリスのＳＡＳは、もともと偵察部隊として発足しました。
ベトナム戦争で北越のゲリラと戦ったグリーンベレーなど、数多くの特殊部隊が存在します。

また、少数での戦闘を主とする彼らは、ただの体力自慢では任務を成し遂げることは出来ません。
アメリカ陸軍のデルタフィオースは隊員一人が最低限二つの外国語をマスターすることを要求しています。
ただの戦闘だけではなく、隊員一人一人が爆発物の取り扱いや通信機器の扱い医療の専門家など、それぞれの分野のスペシャリストである事が求められます
特殊部隊一小隊で、一個師団の役割を果たせるだけの能力がなければ特殊部隊は勤まらないと言われています。
それだけ高度な能力を求められるだけに、軍隊のエリート集団と言えるでしょう。
イギリスのSASは、ほかの部隊を「役立たず」と蔑むのが通例ですが、これは部隊の性質上、その活躍が表に出ることが少ない隊員たちには必要な心の慰めでもあるのでしょうが
一方で、そう言えるだけの能力をSASの隊員は持っているともいえます。

そして、こうした特殊部隊が編成されたのは、それぞれの国でそれぞれの求められる事情があってのことでもあります。
何故必要であるか、それぞれの国の歴史的背景なども考えながら本書を読むのは興味深い事だと思います

　買って中身を見てびっくり。欧米諸国の特殊部隊がずらり、もちろんアジアや中東・南米もありますが、こんなに特殊部隊があったとは驚きですね。
　この本は陸海空と対革命戦と分けて国別に部隊の説明を行っている。創設から活躍の歴史・武装・そして部隊の信念などがビジュアル付きでわかりやすく説明されている。ミリタリー好きにはお勧めの本です。3800円と少し高めですが、こういうのが好きなら買ってがっかりすることはないでしょう。

一口に『特殊部隊』と言っても、その国の政治的状況によって彼らが必要とされている状況、
能力などが変わってきてしまうため、装備も訓練も何から何まで違います。
それこそ数え切れないほどの国々が、それぞれ自国に必要とされる特殊部隊を擁している
ため、『特殊部隊』という言葉の意味・内容は様々です。
そんな『世界の』特殊部隊を、国ごとに区別して一冊に収録した本書は、『特殊部隊』について
の資料本として非常に価値ある一冊です。
もちろん、アメリカ　デルタ・フォースや、イギリス　ＳＡＳ(とＳＡＡ)、ロシアのスペツナズにイスラエル
のサイェレット１３など、主要な特殊部隊の選抜訓練、戦闘訓練、多様な装備、主要任務なども
徹底して解説されています。
値段は文庫本などに比べると少々高めですが、その価値があると胸を張って断言できる一冊です。