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「パッチギ!」対談篇 ・・・・・・喧嘩・映画・家族・そして韓国・・・・・・ (朝日選書)

価格: ¥1,365
カテゴリ: 単行本
ブランド: 朝日新聞社
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極めて個人的な体験について赤裸々に語られている。 ★★★★☆

 1998年に他社から刊行された『先に抜け、撃つのは俺だ』に加筆・修正を施し(220ページ程度)、2005年に行われた対談(55ページ程度)を加えた新装版。映画『パッチギ!』(井筒和幸(監督) 2004年)の公開にあわせて刊行されたようだ。

 映画製作・配給会社シネカノンの創業者にして「韓流ブーム作った男」李鳳宇と、1980年代初めから独り韓国映画を日本に紹介してきた四方田犬彦、映画という接点以外は何もかも異なる男2人による対談集。お互いの青春時代、家族、韓国と北朝鮮、映画との関わり、等々についてザックバランに語り合っている。政治的な内容についても語られているが、大上段に構えて議論する本ではなく、2人とも極めて個人的な体験について語っている。

 映画『パッチギ!』の原案は松山猛の『少年Mのイムジン河』(木楽舎 2002年)とされているが、映画に登場するエピソードの多くは李氏の実体験に基づいており、この本の中でも赤裸々に語られている。ただ、四方田氏の方が年上であるせいか李氏はやや遠慮がちで、本書全体として見ると四方田氏の発言の方がやや前面に出ている、といった印象。

 この本の評価は難しい。この本に書かれているような話をちょっとでも知っているような人から見れば大した本ではないのかもしれない。ところが、私は昔から「現実の社会」というものにほとんど関心がなく、1960年代から1970年代にかけての日本社会の雰囲気だとか、日本の朝鮮学校や在日コリアン社会の話だとか、韓国の軍事政権の話だとか、ヨーロッパ映画の話だとかについて何も知らない。知らないことを知るのは面白いから、この本は私にとって面白い。ここからスタートして、いろいろな人が書いた本を読んだり、いろいろな人が撮った映画を観たりする、そういうスタート地点になり得る本。そういう本として星4つです。
また7年後に、是非。 ★★★★★
 在日コリアンの李さんと日本人の四方田さん=二人の男の人がアイデンティティや映画、青春時代、などについて語り尽くす形式の本で98年と05年の2度にわたる対談が掲載されています。偶然手にとったら、これが面白くてびっくり。一気に読みました。
 人の数だけ家族の歴史があって、ルーツや国籍に対する立ち位置も違うことを改めて思い知らされたと共に、何だか優しい気持ちになりました。色んな世代で、色んな組み合わせでこういう対話が成されれば、少しずつ世界は変るかもしれない、と思わせてくれた1冊です。