吉岡実でも・・・
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戦後最大の詩人と目される吉岡実。難解といわれる現代詩の極北を担ったのは彼だった。しかし、今もう一度読みなおして見ると、とても作品が読みやすいことに驚かされる。ある意味絵画的、イメージ的な手法は現代のなかにも十分生きているのだ。
吉岡の代表的な詩篇や(選者は大岡信、入沢康夫、天沢退ニ郎、平出隆の四人)各方面の人たちの詩人論、また冒頭にはグラビアで吉岡関連の写真集、(彼の満州での女装姿や、西脇順三郎とのひとコマ、初恋の女の人の写真などさまざま。)が掲載されている。紙面に連なるメンツを見ていると、その豪華さに、あらためて彼が偉大な詩人であったかが伝わってきた。
もしちょっとでも詩に興味があって、「ほんとにそんなに凄いの?」と思うなら、ぜひ買ってみて、驚愕してください。ほんと凄いから。