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夜消える (文春文庫)

価格: ¥500
カテゴリ: 文庫
ブランド: 文藝春秋
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ほっとひといき ★★★★☆
藤沢周平の、割合最近に近い短編集。
全体に余り肩の凝らない、ほのぼのとした藤沢周平らしい人情物ばかりです。
相変わらず、江戸の町の、市井のごく普通の人達の暮らしぶりがとってもいい。
しみじみ、ほのぼの、それがいい。
愛しい市井短編集 ★★★★☆
男と女は駆け引きである。騙そうとする。騙されまいとする。ー「誠実」のみが最後に勝利する、などとは決して言わない。「夜消える」で最後に誠実を示した飲んだくれの父親のその後を、私は決して幸せだとは思わない。

男も女も、もともとたいしたものではないのだ。愛息子を見殺しにしてしまった「永代橋」の夫婦。ー「救い」は?あり得るかもしれない。ない、などと誰が言えるだろう。
「初つばめ」では中年女の「酔い」を見事に描く。「遠ざかる声」では新作落語を聞いているみたいだった。愛しい市井短編集。