はぐれ者たち
★★★★★
「暁のひかり」「馬五郎焼身」「おふく」「穴熊」「しぶとい連中」「冬の潮」の6編の短編集。
主人公は「冬の潮」の紙屋の旦那・市兵衛を除いて、博徒だったり、人足だったり、荒くれだったり、町の半端ものが多いです。
お天道様が照らすおもての道からはぐれてしまった者の孤独感、さびしい感じがよく出ています。
嫁にほのかな思いを持ってしまったところでは、市兵衛もはぐれ者と言えるかも知れません。
「暁のひかり」の切ない感じと、「しぶとい連中」のあっけらかんとしたしぶとさのどちらも好きです。