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これが潜水艦だ―海上自衛隊の最強兵器の本質と現実 (光人社NF文庫)

価格: ¥720
カテゴリ: 文庫
ブランド: 光人社
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世界屈指の潜水艦大国 ★★★★☆
現在、日本は毎年一隻の潜水艦を建造し、平時には訓練艦を含めて十八隻の潜水艦を運用し。
有事には二十隻を超える潜水艦を運用できる体制が整っていると言われています。

数の上でも世界屈指の潜水艦大国と言えますが。
現在、世界でも最新鋭の哨戒型潜水艦を建造出来る国は、日本以外はロシアとドイツとフランスなど
6.7カ国くらいでしょう。
特に日本の場合は、3000トンを超える大型の哨戒型潜水艦を運用します
その能力も、潜航時間以外は原潜に匹敵すると言われ。
これほどの大型で高性能の哨戒型潜水艦を建造し、運用できる国は日本だけです。

諸外国は原潜にゆだねる任務を、日本は政治的に原潜を保有できない事から、哨戒型に委ねるしかない
だから哨戒型は他では例がないくらい大型化しているとの批判もありますが。
何れにしても、中国や韓国などの周辺諸国の潜水艦戦力の中でも卓越した実力です。

しかし問題点も多い。
防衛大綱の制限から、一隻五百億円もする潜水艦を、わずか18年で毎年一隻は退役させねばならない
こんな贅沢な使い方はアメリカだってやっていない。
価格が高いだけに多くの国は潜水艦は三十年以上使っている。
他にも問題がありますが。
実際に本を読んでそれを理解してもらいたいです。
潜水艦元艦長による詳細な潜水艦運用と実態 ★★★★★
海上自衛隊の元潜水艦艦長による手記であるが、潜水艦の役割や運用方法、艦内生活について、機密保全の許す範囲でかなり詳細に記述している。

潜水艦に求められる役割、運用上の制限、ちょっとしたこぼれ話、自衛隊が抱える制度上の問題点、内部人事の問題点、そして他職種に対する歯に衣着せぬ悪口まで楽しめる。特にP-3C搭乗員へのライバル心というか、敵意は相当なものである。対潜訓練でわざと見つかる標的役になって、本来の訓練が疎かになったことが腹に据えかねているのだろう。

日本は今後、ますます軍拡を続ける支那海軍の脅威にさらされるだろう。核を持っていない日本は、如何に本気で国の生き残りを図るつもりか。政治家及び海上自衛隊による潜水艦の扱いが一つの指標になるのではいだろうか。シビリアンコントロール正常化させるためにも、国民はある程度軍事的知識を持つ必要がある。かなり歯ごたえのある本書は海軍の理解に大いに役立つものと確信する。

表紙も柴田三雄氏による空撮で、これまたかなり良い出来だ。

他のレビューに、「火災にハロンガスを使うと人体に危険なことも知らないのが残念」的がことが書いてありますが、現在使用されているハロゲン1301なら安全です。潜水艦でもこれを使用しているのではないでしょうか。
元海上自衛隊潜水艦艦長の誇りと憂慮 ★★★★★
「(現代の潜水艦の)対水上戦は、航空機、水上艦をはるかにしのぐ能力を発揮できる。あらゆる水上目標を攻撃可能であり、それも雷撃という破壊力が桁違いの手段を用いることが出来るのである」「同盟国の世界最強の米海軍にしてこうなのだから、よその国には潜水艦が攻撃困難な目標は見当たらない。どの海軍と事を交えても、海上自衛隊潜水艦は、有事には十分な活躍をすると期待してよい」。

文庫本なので見た目は小さいが、読みごたえのある本だった。著者は海上自衛隊潜水艦の元艦長。機密保持の為、潜水深度などの定量的な数字についてはさすがにぼかしてあるが、定性的な説明はかなり詳しい。

食事やトイレなどの艦内生活、浮上や潜水の仕組み、海上自衛隊の特徴なども説明してあるが、なんと言ってもこの本の醍醐味は、潜水艦の任務、運用、強み、弱み、といった作戦行動の詳細な説明にある。特に、第一章の「海上自衛隊潜水艦の実態」は白眉である。「潜水艦については、多くの誤解と先入観がある」という著者が最初に指摘しているポイントが良く理解できた。

その一方で、海上自衛隊には多くの問題があることも随所に指摘されている。現場の責任者を長く務めていただけあって、かなり具体的で生々しい。軍事に関心の薄い方には難しいかもしれないが、貴重な一冊だ。
プロが書いた、未知のバトルフィールドへの招待 ★★★★☆
他のレビュアーさんの書いていらっしゃるとおり、プロ(元艦長)が書いただけのことはある、非常にリアリティを感じさせる名著です。
トム・クランシーや杉山隆夫さん(「兵士に聞け」などの一連のシリーズ)も、ルポライターとして潜水艦に乗艦して、大著といえるルポをまとめておりまして、特にクランシーは米軍完全協力のもと、非常に素晴らしい潜水艦生活についてのルポを出しています。でも、潜水艦乗りではないですから、本当に臨戦配置にある潜水艦の姿までは描けていません。
日本の潜水艦の任務は、主要海峡に潜って、そこを通過する敵艦の監視や、音紋(スクリューやエンジンの固有音=つまりは潜水艦の指紋)採取が任務で、「沈黙の艦隊」のように魚雷の撃ちあいすることはまずありません。でも、米軍に比べれば安全なようであっても、やはり臨戦態勢なのであり、その死と隣り合わせのリアリティは、プロの潜水艦乗りにしか書けないものだと思います。
星ひとつ減らしたのは、とんでもない間違いがあったためです。潜水艦の火災消火に関する記述で、消火ガス(おそらくハロゲンガス)を吹き込んでもガスは人体に無害なので死なないと書いてあったのですが、密閉された空間にハロゲンなんぞ吹き込んだら、窒息して中の人は即死です。消防設備士のテストにも出るくらいの常識問題なのに、何で艦長ともあろう著者が書いていて気づかなかったのやら。こういう単純ミスがあると、他の部分についての信頼性にも関わるので、重版ではこの勘違いも含め、全面的に見直して欲しいという期待を込め、あえて星4つといたします。
書くべき人が書いた本 ★★★★★
海上自衛隊の潜水艦の日常から部隊編成まで、非常に詳細に記述している。表面的なスペックでしか、艦船のことを知らなかったが、潜水艦のなんたるかが記されている。著者は潜水艦の艦長として、またそこに至る迄の、各職位の経験から、幅広く潜水艦勤務の事も、書きあらわしている。正に書くべき人が書いた本である。
ふにこ堂 ★★★★★
読者への誠意が感じられる、是非読むべき良著。
エリート潜水艦艦長(水上艦艦長もそうだが)であっても海上自衛隊という巨大組織の一員であり、当然、組織の理論に従って動かねばならない。潜水艦乗りとして防衛の最前線を経験した著者が、必ずしも実戦にそぐわない我が国の防衛理論と現実との狭間で問題意識を抱え、これと真摯に向かい合った結果が本書である。時に茶目っ気を見せつつ、元潜水艦艦長としての本音を躊躇せず読者にぶつけてくる姿勢には、読者に対する誠意が感じられる。注意深い読者なら、著者が舌鋒鋭い中にも海上自衛隊の潜在能力を高く認め、叱咤激励する気持ちを読み取れるだろう。潜水艦の弱点についても正直に書いてある。素人が劇画的なイメージを持ちがちな潜水艦による対潜戦が、実際は、プロならではの慎重で地味な行動の積み重ねであることには目からウロコが落ちた。