1968年には死んでしまってるジェラルド・カーシュ。発表年度は1940年代が中心であっても、カーシュの寓話性はそのまま普遍性へと繋がり2002年の今に甦るスケールに「おお」と思わず作品解説を熟読してしまうのよね。そう、ミスター波瀾万丈=ジェラルド・カーシュ。不遇の晩年だった彼には、時代が早すぎたのかもしれません。ハーラン・エリスンらが熱烈な賛辞を送っているってのに納得だな。ブラッドベリら短編の名手と共通するコアな部分に共鳴してしまうのでありましょうねえ。
個人的な好感度では、『ねじくれた骨』表題作『壜の中の手記』『時計収集家の王』などがお勧め。ミステリ好きにもSFマニアにも納得の異色中の異色12作品を収録。まさしく奇想、読者を動かす作品群にこの秋、どっぷりハマってみませんか。新しく始まった晶文社ミステリ。古いけれど新しい。