ベトナム戦争を多面的に捉えた一冊
★★★★★
インドシナ革命と、冷戦期東西対立と、中ソ対立と、カンボジア内戦と、ラオスと、日本と、アメリカと、ベトナム戦争。ベトナム戦争を多面的に捉え、しかもわかりやすくまとめた楽しい一冊!ウェストファリア体制やモンロー主義などところどろこ博学をちらつかせるところもなかなか勉強になる。ベトナムがなぜ中国からソ連に乗り換えたのか、カンボジア・クメールルージュにおけるシハヌークの立ち位置が何故あんなころころかわるのか、いくらか謎は残ったけど、それは自分で勉強します。
著者は脱サラ(?)して大学で勉強し直し、この一冊を出版したそう。ジャーナリストみたいに感情論に走るわけでもなく、学者のようなお堅い文章でもなく、なるほどこの人の経歴を見ればなんか納得(笑)
おもしろい!!満点
あれから30年
★★★★★
ベトナム戦争が終わって、今年で30年。今年は、終戦60年の年でありことから、その半分の時代が、ベトナム戦争によって区切られることになる。そうした意味においても、また、今年が戦争と平和の意味を考え直すのに良い年でもあることから、ベトナム戦争の今日的な意味を考えさせられた。21世紀の今日、9.11やイラク戦争に見るようにベトナム戦争の教訓は生かされていない。戦争について考えることで「平和」の大切さを改めて思い出した。
幼い瞳は何をみているのか?
★★★★★
まず、表紙のベトナムの女の子の表情にひかれて読み始めました。「戦争の世紀」でもあった20世紀の後の21世紀に、「戦争と平和」の意味を考えるうえで、とても参考になりました。それと、ベトナム戦争というのは、長い時間の中や、世界地図の中で考えていかなければ、その本質が分からないということも、本書を読むことによって理解できたようです。