ピアノ・アニヴァーサリー

価格：￥3,045

カテゴリ： CD

Amazon.co.jpで確認

2002年は国府弘子にとってデビュー15周年にあたり、それを記念してアルバム2枚を相前後して発表した。最初に出たのが一部新録音を含むベスト盤『ウェルカム・ホーム～国府弘子ベスト&モア』。それに続く第2弾の本作はすべてが新録音。記念作らしく、これまで彼女と親交のあったさまざまなミュージシャンが参加している。サウンド的にも爽やかなフュージョンからブラジリアン・ムード漂う演奏、ブラス・セクションを配したダイナミックなサウンド、さらにソロ・ピアノやライヴでおなじみのピアニカも披露していて、まさに国府弘子のすべてがこの1枚に凝縮されている感じだ。
オープニング曲はストリングスとの共演によるしっとりとした演奏。エイブ・ラボリエル、アレックス・アクーニャ、オスカー・カストロ・ネヴィスとの共演ではトロピカルな世界に誘われ、村田陽一率いるブラス・セクションとの共演では躍動感がたまらない魅力。スティーヴィ・ワンダーの<11>以外は全部オリジナルで、コンポーザーとしての多彩な魅力も発揮してみせる。（市川正二）

関連商品

多彩な音楽を紡ぎだす豊かな音楽性 ★★★★★

クラシックのようでもあり、まぎれもないジャズであり、そしてラテン・テイストが詰まった音楽であり、全体のトーンはフュージョンのような多彩な音楽を紡いでいる国府弘子のデビュー15周年を記念したアルバムです。

大坪稔明(Keyboards, Percussions, Programming)、赤木りえ(Flute) 、篠崎ストリングス(Strings)、大島ミチル( Strings arranged by)、八尋洋一(Electric Bass)、村田陽一( Trombone& Horn Arranged)などの素晴らしい彼女の仲間とともに創り上げた音楽は、聴く者を夢の世界へといざなうような優しさに満ちています。

スティーヴィ・ワンダーが作曲した「アイ・ウィッシュ (回想)」以外は全て彼女の作曲によるもの。実に見事なコンポーザーとしての能力だと思います。冒頭の「オールウェイズ‾いつもそばに」に流れている音楽は、人々を癒す特効薬のようなもので、美しさと抒情性に満ち溢れています。この1曲を聴くだけでもその才能の素晴らしさを感じ取れることでしょう。

一つ一つの楽曲の性格が、ころっと違うのもまた彼女の才能の冴えの証明のようでした。ありきたりの展開とは違う音楽もいろいろ含まれていますので、飽きることなく繰り返し聴きながら、その豊穣の海のような深さと大らかさに包みこまれる感覚を受け取っていました。

メロディを楽しんで ★★★★☆