元パイロットの記録
★★★★★
著者は、二式大艇のパイロットとしてして戦争を戦った元下士官。
自らの体験をありのままに、書き起こした体験談です。新兵のシゴキ、特攻、飢餓の島でのサバイバルから終戦までの、戦争の実態を実によく表しています。武勇伝でもなく、反戦でもなく、仲間たちへの鎮魂のための戦記です。
神風特攻兵が、突撃前に機上で見せた笑顔のシーンは、レビューを書きながらも涙があふれて来ます。特攻賛美ではなく、特攻を命ずる側を非難していますが、特攻を命じられ苦しみながら命令に従って死んでいった側への深い慈愛を感じます。事実を語っているだけですが、死んでいった特攻隊員への鎮魂の意図が自然につたわってきます。
二式大艇の実像についても非常に興味深い記述満載です。傑作飛行艇と言われた二式大艇の離着水の困難さ、特に料満載での超過重量時の離水の難しさ、二式飛行艇に搭載されていた電探(レーダー)の実力、GPSもジャイロもなしでの航法の実態、数十メートルの誤差が出る高度計の飛行中の補正方法、夜間着水の実像とその危険、敵味方識別の発光信号の信頼度、燃料の配置調整による被弾対策など飛行艇のスペックではわからない操縦者ならでは記述も満載です。
奇蹟の飛行艇―大空に生きた勇者の記録 (光人社NF文庫)は97式飛行艇の元パイロットの戦記です。鎮魂の戦記という意味でも、飛行艇の実像をパイロットが記録した戦記としても似ています。二式と九十七式飛行艇の比較の意味でも面白いと思います。
戦闘機などは数あれど
★★★★★
なかなか飛行艇の話はないので読んでみました。飛行艇にも特攻作戦があったなど知りませんでした。特攻隊員となった心情は現代の我々には計り知れない思いがあったのだと思いました。そして送り出す地域の方々の思いなど。
ただ乗り物なんでやはり失敗して上達していくものなんだなぁと思いました。
色々な経験をされている著者なので、読んでとてもよかったです。
元パイロットの記録
★★★★★
著者は、二式大艇のパイロットとしてして戦争を戦った元下士官。
自らの体験をありのままに、書き起こした体験談です。新兵のシゴキ、特攻、飢餓の島でのサバイバルから終戦までの、戦争の実態を実によく表しています。武勇伝でもなく、反戦でもなく、仲間たちへの鎮魂のための戦記です。
神風特攻兵が、突撃前に機上で見せた笑顔のシーンは、レビューを書きながらも涙があふれて来ます。特攻賛美ではなく、特攻を命ずる側を非難していますが、特攻を命じられ苦しみながら命令に従って死んでいった側への深い慈愛を感じます。事実を語っているだけですが、死んでいった特攻隊員への鎮魂の意図が自然につたわってきます。
二式大艇の実像についても非常に興味深い記述満載です。傑作飛行艇と言われた二式大艇の離着水の困難さ、特に料満載での超過重量時の離水の難しさ、二式飛行艇に搭載されていた電探(レーダー)の実力、GPSもジャイロもなしでの航法の実態、数十メートルの誤差が出る高度計の飛行中の補正方法、夜間着水の実像とその危険、敵味方識別の発光信号の信頼度、燃料の配置調整による被弾対策など飛行艇のスペックではわからない操縦者ならでは記述も満載です。
奇蹟の飛行艇―大空に生きた勇者の記録 (光人社NF文庫)は97式飛行艇の元パイロットの戦記です。鎮魂の戦記という意味でも、飛行艇の実像をパイロットが記録した戦記としても似ています。二式と九十七式飛行艇の比較の意味でも面白いと思います。
戦闘機などは数あれど
★★★★★
なかなか飛行艇の話はないので読んでみました。飛行艇にも特攻作戦があったなど知りませんでした。特攻隊員となった心情は現代の我々には計り知れない思いがあったのだと思いました。そして送り出す地域の方々の思いなど。
ただ乗り物なんでやはり失敗して上達していくものなんだなぁと思いました。
色々な経験をされている著者なので、読んでとてもよかったです。