童夢
★★★★★
前巻から引き続きの「探偵甲子園」の解決編と、地下駐車場で起きた傷害事件に探偵団が挑む話と、新一と蘭の子供時代のエピソードに、英理の
愛猫ゴロちゃん登場の四つを収録しています。
まず、甲子園編!!いいねぇ。。白馬にとことん揶揄されながらも尚一層、いやそれだからこそ余計に迸る平次の熱血ぶりが最高。白馬、平次、
コナン三者三様の推理の過程を見せる演出も面白い。またこの話沁み入る余韻が好いのです。
お次の事件は、被害者が残した言葉と、犯人がうっかり漏らす言葉が妙。チビ新一・蘭のエピソードは兎角可愛くて好い。何より可愛いのが
黒髪フサフサの博士(笑)。最後は相変わらずの英理と小五郎のホクホクほのぼの譚で微笑ましく読了。
青山さんはストーリーの構成展開に波があって同じような要素の事件が立て続けに一冊
に収録されるような現象が在るが、本書はどうだ(?)。まさに童心へ回帰させてくれる心地好さが在る。
そして、もう一つ。過去作品からのクロスフェードを度々行う遊び心溢れる作者だが、ここでのチビ新一・蘭のエピソードでの黒羽盗一の件が
象徴しているが、この人は物語構成がとても自然且つ巧くて感心する。何だかんだ批判されながらも人気を保ち得る理由だろう。
思うに、無為な設定にみえて人それぞれの解釈次第で想像を膨らませてくれるやり方は出来そうで出来ない。センスと情熱が必要だ。そーゆー
意味では、やっぱこの人はシャーロキアンなんだなぁ、、としみじみ思う(笑)。
最初のころより逆に面白くなっている複雑なアニメあと10年つづく
★★★★☆
コナンの話は、あと10年続くようですよ。つまり、今までの話が前半と考えてみてください。ここで面白かったのは、コナン(新一)の父工藤優作と黒羽かいとの父が友人で、ゆきこの変装術は、怪盗キッドの父から教えてもらった。優作は、小説家になる前は、実は、探偵だったと話もある、コナンは、漫画というより、推理小説を漫画にしたように見える。
57巻まで読んでみて、FBIやCAIがかかわってきているとなると、かなり巨大な組織にコナンは、相手にしているとみえる。今後は、日本だけでなく、アメリカやイギリスなど世界的な犯罪にとりくんでほしい、日本警察も最終的にFBIなどと協力して、展開するだろう。
コナンは、元に戻るのは、いつと気にしてるが、必ず灰原が元に戻る薬を開発してくれますよ。これからあと10年て、・・・まさかこれからが本番てこと、スケールデカイですよ。
ハリウッド映画なみに、物語が深いからだろ?
”コナンらしさ”はきっとそのまま
★★★★☆
私も正直コナンのこのワンパターンの展開にはいい加減飽きてきたし、トリックもイマイチかな〜と思ってましたが、それでも読んでいて楽しかったです。それは子供時代の新一と蘭や、探偵甲子園の4人の探偵などのキャラが魅力的で、好きだから。探偵甲子園については、確かに決勝までコナンや服部たちが対決することやミステリとしての充実を期待したりとあれですが、昔の「コナン」にあった、犯人などにも同情してしまうような、キャラクターがそれぞれ本物のように生きている感じはあったと思うので、私は満足でした。
あともうひとつ、私は推理小説も好きでたくさん読むのですが、正直ラブコメでキャラやその会話を楽しむ「コナン」と雰囲気からして本格的な推理ものの「金田一」は性質がまるで違い、比べても意味がないと思います。まあ昔は続けてやっていたのでつい比べてしまうのもわかるけれど。鮮やかな推理や真相はとても唸らされるけれど、それだけじゃないのが昔からの「コナン」だと思います。
名探偵コナン」を読んでいる人は漫画が好きな人、ミステリーが好きな人、色々いるだろうし、それぞれこの漫画に求めるものものも違うでしょう。私にとってのそれはコナンや服部、灰原などのキャラクターと独特の作品世界でした。そして、そういったものはこの巻はまだ持っていたと思います。だから私は楽しめましたし、読んでみようかと少しでも思う人には今でも変わらずお勧めです。
どうしたもんか
★★☆☆☆
謎の組織に鍵となるキャラ、緻密なトリックそして設定の数々。
増やしたはいいですが、この先どうやってまとめるおつもりなのですか。
これらをキチンと消化し収束できるんだろうか・・・・・いや、しないとマズイでしょ。
全国的に有名なマンガだから終わらせられないのかもしれないが、
サザエさんとは違って、等身大の日常生活をそのまま楽しむというものじゃないから
絶対無理が出てくると思う(既に出てるという意見もあるが)。
組織と全面対決した方が待ち続けた読者に対してはこの上ない福音だし、アニメでも盛り上がると思うのですが。
映画だって面白かったから、このまま名作として完結して欲しい。
水平線状レベル 『LV30』
★☆☆☆☆
昔、月曜日の夜七時に『金田一少年の事件簿』と『名探偵コナン』が並んで
放送されていたことがありましたね。私はあの頃のコナンが好きでした。
ストーリーは、まぁこれだけ国民的アニメになったから、もう言う
必要もありませんね。黒ずくめの男達によって『アポトキシン4869』とい
う薬を飲まされ子供になってしまった天才高校生が、おちこぼれ探偵のも
とで数々の難事件を解き明かすというものです。
魅力は犯人を絶対に死なせないという主人公のポリシーと、低年齢の人が
見てもショックや衝撃を受けないようにまるでオブラートに包むように優しく
、分かり易く推理のおもしろさを伝えるところ。だからマンネリ化しても幼稚
な設定でもそれを考えれば仕方のない事ではあるかもしれません。
・・・・・・でももう終わりにしましょう。いくら少年サンデーといえどこれ以上ひっぱる
のは無駄なだけ、推理というものを悪くしているだけです。濃度の薄い物語を延
々と続けるのではなく、アガサクリスティのように誰も真似できないような奥
深くておもしろい推理を時間をかけて一つ作った方が好感度が持てるというも
の。『金田一』は一つの物語を何回にも分けて丁寧に作り上げました。それに対し
今のコナンはあまりにも雑すぎる。
青山剛昌という名は名探偵コナンと共に十分、広く世に知られました。後はこの長
く続いた黒ずくめとの戦いに幕を降ろすだけ。他のレビュアーの方同様に、常
連の読者は最終巻だけ買うほうがいいでしょう。初めての人は最初の巻の方
を読んでください。まだ金田一と並ぶくらいのざんしんなトリックがあふれて
いた頃のお話です。