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大正野球娘。―土と埃にまみれます (トクマ・ノベルズEdge)

価格: ¥860
カテゴリ: 新書
ブランド: 徳間書店
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いよいよ試合!乙女たちがグラウンドを駆け巡る? ★★★★★
人数も無事に9名揃い、特訓もこなしてきた。自信を付けていざ試合に臨む
「大正ガールズ」の面々。

が、やはり男子の投げる球は速かった。
本番特有の緊張感も加わって三振の数の方が打った数よりも多い。
主砲の巴の活躍で先制をしたものの、まともに9回を投げた経験のない
投手のお嬢が徐々にバテ始める。

こちらも打てないが、相手もこちらを打ち込めず一応は接戦の如きシーソー・ゲーム。
交錯する恋心が男子チームの足並みを乱すのに対して、
団結力しか取柄はないと言っても過言ではない少女たちに恋は二の次である。

起死回生とも言うべき奇襲作戦が成功し、リードしたまま最終回の相手の攻撃を迎える。
しかし、後の世で広く語り継がれるであろう野球を例えた名ゼリフ
「野球とは筋書きのないドラマである」
は野球黎明期においても全く変わらぬ形で舞台の役者たちを彩り、そして翻弄するのである。

それにしても、齢14にして既に婚約者が普通にいたりで、
結婚を意識せずにはいられない「大正ガールズ」たち。
現代ほど女性の進路に選択肢がない時代だからこそ、いずれ嫁ぎ妻となり母となる姿に
ある種の「憧れ」であり「期待」ともう一方での「諦め」が交錯するのであろう。

「原始、女性は太陽であった。今、女性は月である。」
と言ったのは平塚雷鳥であった。

大正ガールズたちの胸の内にたぎる熱いマグマのような情熱は、
長きに渡る苦難の時代を経て、噴火のときを待つ全女性の
「階(きざはし)」とも言うべき嵐の意思である。
仮面の裏は? ★★★★★
料理・お菓子へのこだわり描写。丁寧な文体。出版社。そしてこの本の著者紹介文
「やっぱりお寿司が好き」神楽坂先生の正体はもしかして・・・。

「萌○○○っ○」とはちょっと違った、でも凛とした少女達の頑張りは健在の傑作。
ただ、新書でラノベという先行きが読めないレーベル展開に、やや不安を覚えます。
今買っておかないと後悔するかも!!大丈夫、買って後悔する事はありませんから。
リアリティ溢れる展開の最後に不自然なエピソードが残念 ★★★★☆
07年春刊行の第1弾巻末に「今夏」と続刊予告が出ていたが、じつに“1年遅れ”で第2弾登場である。

大正14年の情景描写は変わらずしっかりしている。お馴染みの女学生たちが友情のために結集し、特訓を重ね、慣れない野球に真摯に取り組む姿は好印象だ。個性や特徴を生かしてポジションや打順が決まっていく様子にも無理がない。

その好意的な気持ちが、明らかな不利を承知で果敢に男子チームに立ち向かっていく、肝心の試合の描写でグラつく。
07年の某Gの開幕戦にヒントを得たらしい一発で相手の度肝を抜き、後はエースの“超遅球”で幻惑しつつ逃げ切りを図る・・・。こうした設定や構成、展開は、ドラマ性を高める手法としてよくあり、これはまだいい。
問題は終盤だ。
アマゾンの紹介文にもあるからネタバレには当たらないと信じて書くが、主軸を打つ巴という子が、なんと“目隠し”をして打席に立つのだ。そして、こうしたシチュエイションではお決まりの結果に・・・。

文字通り「九仞の功を一簣に虧く」エピソード。一気にシラケた。
せっかく、超人だの魔球だの秘打だのとは無縁の、リアリティ溢れる物語だったのに、台無し。
巴は薙刀少女で、集中力を研ぎ澄ます「心眼」の心得がある。だが、目を開けていてもそうそう打てそうにない速球を、いくら気を集中すると言っても、目隠しで打てる、と考えること自体が不自然だし、そもそもこの巴はそんなキャラだという印象がなかったので、余計違和感があった。

彼女たちの魅力や努力に免じて、ここだけを捉えて大減点という無粋はしないが、当初の約束から延ばしに延ばし、待たせ続けた結果がこれでは、ガッカリだ。もう少しやりようがあったろうに、と思うが。

メディアミックス構想が進展してついにアニメ化されるそうだが、くれぐれもおかしな設定や展開にしないでくれ、と願っておく。