凍てついた心を溶かしてくれたヴァンパイア
★★★★★
不死たちの世界”ローア”の世界を描いているシリーズの二作目で、感情をなくしている”凍てついた心のケイドリン”(ヴァルキリー)が今回のヒロインです。
妹たちをヴァンパイアに殺されたことで自他ともに認めるヴァンパイアハンターとなったケイドリン。
ヴァンパイアを探してロシアまできた彼女は古い古城で悲嘆にくれたヴァンパイアと出会います。
このヴァンパイア、無理やりヴァンパイアにされてしまった元人間ということもあり、化物になってしまった自分をひどく嫌悪していて生きる目標もありません。
そんな彼がいきなり感情を高ぶらせた瞳をし、ケイドリンを「花嫁」と言います。
「花嫁」は永遠を共に生きる運命の相手。ケイドリンにとってこの世で一番なりたくないものでもあります。
しかし生きる目標を得たヴァンパイアは彼女を必死で追いかけまわし、しかもそんな彼を好きになってしまう自分がいて・・・、感情を取り戻しつつあるケイドリンは自分の気持ちに戸惑いを覚えます。
二人の仲を急激に進展させることになる「タリスマンズ・ハイ」という宝探しゲームが今作の最大の見どころで、優勝賞品が「過去に戻れる鍵」ということもありゲームはとても白熱しています。
妹を取り戻したいケイドリンをはじめ、死んだ伴侶を取り戻したいボウエン(ライキー)、過去のゲームでもライバルだったルシンディア(セイレーン)などなど、いずれも必死さが伝わります。ケイドリンを「花嫁」と言うヴァンパイアのセバスチャンはケイドリンに協力する形でゲームに参加するのことになります。
女性に不慣れな彼はなんとなく可愛い感じの印象を与えつつ、「花嫁」を力強く守ろうとする男らしさを兼ね備えた魅力的な男性。「満月の夜に」と同じくメロメロヒーローでツボを押さえています。
永遠を生きる彼らにとって「花嫁」や「伴侶」といった存在は生きる糧でもあるようで、想われる女性はなんとも羨ましいかぎり(笑)。今回もドップリと不死者の世界を堪能できました!
次回作は、今回の作品で身体がぼろぼろになりながらも必死でヒーロー、ヒロインに立ち向かってきたボウエンが主人公とのこと。伴侶を求める切望がビシビシ伝わってきて幸せになってほしいと思っていただけに、早くも楽しみです。