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日本 その心とかたち 加藤周一 [DVD]

価格: ¥41,790
カテゴリ: DVD
ブランド: ブエナ・ビスタ・ホーム・エンターテイメント
Amazon.co.jpで確認
公立図書館に購入のリクエスをトしましょう ★★★★★
平凡社から刊行された10冊本は読んでいたのですが、映像は見ていなかったので、発売されたことを知った時は、とても嬉しかったです。
日本の文化は素晴しいという日本人は数多くいますが、いざその美点を挙げるときに、日本の文化の魅力を具体的に語ることができる人は、それほどいません。しかも、そのうちのほとんどは自分の専門については詳しくても、全体の有りようを語れるわけではありません。ですから、この番組の成立は、加藤周一氏を抜きにして考えることはできないと思います。

なお、NHK教育で放送された優れた番組はまだまだ数多くあるので、そういった物もできるだけソフト化してもらいたいものです。

ほかの方も書いておられますが、価格が高いのが欠点です。
自分で購入するのが難しい方は、DVDを揃えている地元周辺の公立図書館へ、買ってくれるまでリクエストをしましょう。
ジブリに大感謝!!・・・加藤周一氏の言葉・論理・文章 ★★★★★
・・・苦節17年?!
というのは大げさですが、

ついに!!
「日本 その心とかたち」DVD7巻セットが発売。

加藤周一さんが解説者として出演している、
日本の美術史をまとめたNHK教育テレビ番組
(1987年11月〜1988年3月オンエア)のDVDです。

加藤周一さんをあまりご存知ない方には、
ジブリの高畑勲・宮崎駿両監督が、過去に大きな興味を持って視聴し、
深い感銘を受けたという価値ある映像を「ジブリ学術ライブラリー」
シリーズとして復刊されたものの第4弾になります。

高畑勲・宮崎駿の両監督には本当に感謝、感謝です。
お二人にDVD化していただけなければ、
もう見ることができなかったか・・と思うと、ありがたい気持ちでいっぱいです。

早速、第1集「はじめに形ありき」を見る。

日本の縄文時代に作られた「火焔型土器」の
世界史から見た位置づけを考察するにあたって、
縄文時代と同じ新石器時代における最も洗練された文化を持った
マヤの地に、加藤氏は立つ。

そこで・・・、

「メキシコの
 ことに、マヤの
 ことに、ウシュマールの
 ことに、尼僧院の
 ことに、東側の建物の

 いま私が見ているこの建物は、おそらく人類の建築史上、
最高傑作の一つ・・・」

と、畳みかけるような言葉が
一編の詩を聞いているかのごとく
伝わってきます。

また、その論理展開は・・

歴史にもしもはないが、

このメキシコのマヤのウシュマールの世界で最も美しい建築物を前にすると、
「火焔型土器」のような独自の美しい道具を作り上げた日本の縄文文化をみると、
もし大陸からの圧倒的な影響が弥生時代に入ってこなければ、
縄文文化がどこまで行き着いたかではないけれど、
どこまで行き着いたであろうかを示唆している、

と語る。

これが、
加藤周一の言葉であり、
論理であり
文章だったんだ、
と改めて思いました。


・・以上のようなぐらい思い入れがないと、
なかなか買えないお値段だ、と思ってもいます。
普及版のような形で出していただけないかな?!
この価格では… ★★★☆☆
 加藤周一氏の風貌の変化を除いても、番組の電子音楽やコンピュータグラフィックスの古めかしさに時代を感じるが、内容は少しも古びておらず、その確かさを感じさせる。
 加藤氏の著作に親しんでいる人であれば、特に驚くような内容が含まれているわけではないが、期待を裏切らず、学ぶところが大きい。最近収録された対談もいい。
 それにしても個人で買うには価格が高すぎ、知り合いに購入を勧める気にはなれない。
独自な切り口で西洋との比較をまじえた日本美術論 ★★★★★
日本を代表する知性、加藤周一先生が、87年にNHK教育テレビで10回シリーズ放映された作品。レビューに内容の概説がないので理解しにくいと思いますので。10の切り口・テーマをご紹介すると1.はじめに形ありき・縄文文化とメキシコのウシュマル遺跡の形の類似性2.神々と仏の出会い・・・神仏習合と日本人の心性3.現世から浄土へ・・西方浄土への憧れと優れた造形4・水墨・天地の心象・・写実を離れた簡略化された描写<5.琳派海を渡る6・手の中の宇宙7浮世絵の女たち8.幻想に遊ぶ9・東京・変わりゆく都市10.21世紀への冒険。大陸文化の影響を受けなかった火焔土器をはじめとした縄文文化の独自性にはじまり、大陸から渡来した文化に触れても、そのまま受け入れるのではなく、独自に取捨選択する日本美術の特性はオリジナリティはなくとも独自の世界を作り上げてきました。それを一言で言うと「洗練」という言葉で表現できるのではないでしょうか。そうした日本美術の特性を西洋美術などとの比較もしながら、分かり易く解説してくれます。平凡社から大判で出版もされていますが、いまは絶版で、古本でしかないでしょう。なにはともあれ、これほど体系的に、グローバルな観点から、語られた日本美術論はいままでなかったのではないでしょうか。加藤先生の博識ぶるには驚かされます。私は当時、ビデオをとり、本も買い、なんども見ました。それがDVDになったのは嬉しいのですが、値段を見てビックリ、内容が素晴らしいだけに、この値段はなんとかならないものでしょうか。