「マンガでわかる」よりずっといい。
★★★★☆
僕は中学生くらいの頃から神話に興味があったから、
「古事記」は普通に読んだけれど、
一般の人たちにとって読みづらい、というのはよく分かる。
僕も結構一生懸命読んだ記憶がある。
だけど、中身自体は一般の人たちにとっても間違いなくおもしろい。
あらゆるファンタジーの原点のような、壮大な物語。
僕は苦労して古事記を読み通したあと、「これはすごい!」って思ったし、
みんなにももっと知ってもらいたいなぁ、と思ったものだから、
この本はとってもうれしい。
「超訳」と題してはいるけれどそんなにぶっ飛んだ解釈、というわけではなく、
ただ現代の人にわかりやすいように解説なんかを加えているから
「逐語訳ではない」ということ。
むしろ、余計な解説を入れずに、きちんと心地よいリズムを考えた詩のような文体になっていて、
(もともと古い書物は全部詩のようなものだった、とも言えるだろうし)
とにかく情景が描写しやすくてするする読める。
同じように「読みにくい本を読みやすく」というコンセプトで作られたものとしては、
「マンガでわかる」みたいなシリーズがよくあるけど、
やっぱりイラストにしてしまうとイメージの齟齬もあってなかなか受け入れにくい。
こっちの方が断然おすすめ。