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性の用語集 (講談社現代新書)

価格: ¥903
カテゴリ: 新書
ブランド: 講談社
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知っている言葉、知らない言葉、知っているつもりの言葉 ★★★★☆
性に関してはさまざまな言説が日々流されている。
しかし、時にそれは本来の用例や当事者にとって不適切である場合もある。
中には全く誤解しているものもある。

本書はこうした言葉から、既に死後になったと思われる言葉まで
様々な言葉を集めて複数の記者により記述された記事により構成される「用語集」である。
扱われる言葉によって淡々と起源と変遷のみ述べられている場合
さらに深い突っ込みやテーマを提示している場合など様々で
記述に深浅・濃淡が多少あることは否めない。

しかし自身がトランスセクシャルと思われる記者による実感のこもった解説や
おそらく一般的に全く性的な意味を持っていない言葉が時代と場所で重要な意味を持つこと
歴史的背景をもつ言葉を知らないことにより
とんでもない名前の幼児用商品が作られてしまっている実態など
興味深い考察が多々あるのは間違いない。

特にカタカナ語への言い換えによる、本来持つ意味のすり替えを行う「我々」の習慣や
歴史認識にまつわる問題など、
単純に「性的言語」の意味を論じる以上の問題提起がされている記事がある点には
単なる用語集に感じる以上の面白みを感じた。

巷にあふれる「性的用語」について
まじめに/深く(例えば用例の変遷や作られ、忘れられた経緯など)考えてみるきっかけを
本書は与えてくれると言えるだろう
共通の土俵 ★★★★☆
>「記録」「語り」「調査」は、言葉からなるが、
>それらに使われる言葉はどういうものなのか。
>「記録」「語り」「調査」の基本要素としての言語に
>どういう意味や問題が潜んでいるのだろうか。

まえがきに著されたこの疑問は、「性」に関わることだけではなく、おそらく他のすべての研究において、研究を始めるときに、その最中に、検討される必要があるものだろう。
いや、研究においてだけではなくて、本当は、会話がすれ違うとき、気持ちが、言葉がすれ違うとき、思い返してみて損は無い。
前提として、言葉が通じているつもりでも、その中身は共通だろうか? そういう共通の土俵を作る作業の手抜きをすると、後でいくら積んでも積み重ならないものである。

この出発点はとても真面目な、大事なことだと思うけれども、中の個々のエッセイは、多様な執筆者の個性を反映しつつ、一般的に楽しめる内容になっていると思う。
オチを最後に設けないと気がすまないような雰囲気が全書にあって、それがなんとなく関西風?
試みとして重要なことなので★5つと言いたいところだけど、グラスゴーとリオデジャネイロが似合うかはわからないので、一つ、減らしておきます。

ドロップキックを国語辞典で調べてみれば……。 ★★★☆☆
井上章一先生のあとがきによれば、「ドロップキック」という言葉を国語辞典で調べると、ラグビー用語として掲載されているらしい。では、猪木や馬場が使っていたあの技は、いったいなんなんだ! というのが、この書物の編著者たちの執筆動機のようだ。

エッチな用語はプロレス用語とおなじく。国語辞典が掲載したがらない言葉らしい。そのせいで、古い辞書や記録を調べても「性」にまつわる用語は、まったく意味がわからない事が多い。

たとえば「エッチ」、「変態」はともかく、「猫をかぶる」にいたっては誰もその意味がエッチな意味があったなんて知らなかったりする。

難を言わせてもらえば、それそれの項目が統一性を欠き、バラバラで、「トリビアの泉」的な面白さのみに終始している点が気にかかる。性の用語全体を見渡して、「へえ~そうなっていたのかあ~」とダイナミックに唸らせる感動がない。

執筆者たちの志は、まだまだ達成されていないということで、星三つ。いずれは星五つの超大作を期待したい。

今度産む? 性のトリビア! ★★★☆☆
 最初の項目「性」で、ややオカタイ文章でつまづきそうになったものの、別の項目を読み進めるうちにニンマリしてくるような内容でした。学者先生から、マイナーセクシャリティまで、文章中から各項目を担当する執筆者の個性が見え隠れするようで面白く感じました。年齢的には、戦前・戦時中の話が多いのですが、若い人にも後学となるトリビアがあり、タイトルだけでひけてしまうのはもったいない気もします。本書で引用される辞典、文学、雑誌で、性の言葉が、どのように使われ変遷してきたかが、きちんと紹介されているので、当時の社会、風俗を知るにもうってつけで、子供のころに国語辞典で卑猥な言葉を探した記憶のある人にはお勧めです。図版は少ないものの、『***様がみてる』などもありました。薬局で、「コンドーム」を購入する恥ずかしがりの客のため考案されたサービスからくる勘違いには笑えました。また、「猫をかぶる」で、招き猫の由来を男根信仰に求める一説には、興味深いものがありました。
リアルな言葉かどうかが問題 ★★★★☆
その名の通り、性に関する用語の解説集。
薀蓄満載で勉強になることこの上ない。
しかしながら、学者先生の書いた文章の中には、
「大変よく調べてお勉強しました」
といった感じの、耳学問的な文章もあり、迫力に欠けるところも一部感じた。
その中で、女装家でもある三橋順子氏の一連の文章は、自らの経験の裏づけから来る、リアルな文章であり、迫力満点であった。